WORKS JUU掲載の施工事例

CASE63 木曽善元建築工房 / T邸

自然豊かな屋敷林を楽しむ網戸つきのウッドデッキ

 田んぼの真ん中にある林の脇に、築150年という漆喰壁の大きな古民家が見える。同じ敷地内に寄り添うようにして建つT邸は、杉板張りの外観が、周囲の景観になじみつつ、爽やかな存在感を放っている。
 室内に入って驚くのは居間の南側に設えられたウッドデッキ。奥行き約2.4メートル、巾約7.2メートルもの大きさで、まるでリビングとひとつながりのよう。さらにその外側には、2階のベランダまでをぐるりと廻る網戸用のネットが張られた格子が巡らされているのである。
 「夏はリビングの扉をすべて開け放って過ごしています。森の空気が感じられてとても気持ちがいいんです」と施主のTさん。網戸になっているから虫に悩まされる心配もなく、屋敷林を存分に味わうことができるし、網戸は冬の雪対策にも有効なのだという。
 「木をふんだんに使った家に住みたいと思って、いろいろなビルダーさんの内覧会に行きました」と語るのは妻のSさん。Sさんの実家の小屋部分を住宅に建て替える計画から家づくりがスタートした。Tさんの希望は部屋のなかをできるだけ区切らず、広々使えるようにすること。将来的には母屋の一部も子どもたちの個室として活用する計画で、各フロアはほぼワンルームに近い状態になった。さらに1階の薪ストーブの暖気を2階にも循環させるため、吹き抜けになってもいる。そのため、家のどこにいてもお互いの存在を感じられる家になった。

DATA
床材無垢(杉)、コルクタイル(キッチン)、磁気タイル(水回り)
壁材ビニールクロス、タイル
窓仕様アルミサッシLow-E ペアガラス、木製建具
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材木材(杉)、ガルバリウム鋼板
断熱材グラスウール、XPS(押出ポリスチレン)

設計 / 木曽善元建築工房 | 施工 / 木曽工務店 | 竣工 / 2011/11
構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 465.94㎡(140.95坪) | 床面積 / 128.07㎡(38.74坪) / 1階 86.76㎡(26.24坪) 2階 41.31㎡(12.50坪)

暖房設備 / 薪ストーブ(PECAN製) | 給湯設備 / エコキュート | バス / TOTO PYS1202R(ポリバス) | トイレ / 1階 TOTO ネオレスト 2階 TOTO ピュアレスト | キッチン / 造作 | 調理設備 / IH | 換気システム / 第1種換気

建築総工費 / 2,400万円台
坪単価 / 60~65万円