豊かな緑を生かす大開口で 自然光に満ちた住まい
敷地に続く隣地の森まで緑豊かな絶好の環境にあるI邸。「土地を見に来てもらったとき、建築家の花田さんが開口一番『この景色は生かしましょう』とおっしゃったのを今でも覚えています」とIさんは振り返る。
建築好きのIさんは、5年も前から「家を建てるなら花田さんのところで」と決めていたという。「家自体はロケーションを存分に生かせれば小細工などいらないと思いました」と花田さん。県内でも積雪が多い地域だけに、積雪荷重などから大きな開口部を設置するのは避けがちなエリアでもあるが「『とにかく明るい家にしたい』というのがIさん夫妻の要望でもありましたので、そこは頑張りどころでしたかね」と花田さん。
南側と東側の大開口は高さ2400ミリ。通常の床から天井までの高さと同等のサイズの大きな窓がI邸の設計の中心となった。Iさんは「花田さんの建築が好きでブログも全部読み込んでいました。だからプランニングもトントン進みました。アウトドアからファッション、音楽まで一聞けば十返ってくるので打ち合わせが本当に楽しかった」と振り返る。「建築家との家づくりなんて最初は緊張したけれど、一度お話ししてみたら次からは毎回お会いするのが楽しみなほどでした」と話す。
大開口の開放感を存分に生かすべく、壁ではなくラウンジピットで空間の役割を分けたリビングやオープンなアイランドキッチンなど、仕切りを可能な限り排しているのが印象的。妻のCさんは「実は当初、オープンキッチンをきれいに保てるか心配だったんですが、使ってみたら案外心配は無用でした。キッチンからの景色も抜群です」と話す。
玄関、LDK、ホビールームなど回遊性の高い間取りはCさんが意識したポイントだった。「子どもたちがのびのびと走り回っている様子を見ると、居心地のいい住まいになってよかったなって思います」と柔らかい笑顔を見せるのだった。
DATA
床材 | 無垢(アカシア)、 長尺塩ビシート |
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内壁材 | ビニールクロス |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
外壁材 | 窯業系サイディング、 ガルバリウム鋼板 |
設計 / 有限会社花田設計事務所| 施工 / 有限会社匠伸住建 | 竣工 / 2022/6 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 1246.17 ㎡(376.96坪)|床面積 / 139.91㎡(42.32坪)/ 1階 93.54㎡(28.29坪) 2 階 46.37㎡(4.25坪)駐車スペース 40.80㎡(12.34坪)
暖房設備 / ファンコンベクター(灯油)| 給湯設備 / エコフィール(灯油)| バス / LIXIL アライズ | トイレ / 1階 TOTO ネオレスト、2階 LIXIL ベーシア | キッチン / Panasonic Lクラス | 調理設備 / IH | 窓仕様 / アルミ樹脂複合サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / グラスウール | 換気システム / 第3種換気
建築総工費 / 4,100万円台
坪単価 / 75~80万円