ヌックとスキップフロアで 家族との豊かな時間を楽しむ
設計はミノル建築で設計士として働く妻のMさん自ら手掛けた。「家の中心にヌックとスキップフロアを設け、ヌックは子どもの遊び場として、スキップフロアは大人の趣味部屋兼夫のリモートワークスペースとして使っています。家族の気配を感じながら過ごせる間取りとしました」と話す。
年齢を重ねてからも暮らしやすいよう、生活に必要な機能は1階にまとめた。廊下をなくし、階段室、ヌック、スキップフロアを中心に1階全体を回遊できるつくりとなっている。「キッチンを起点として洗濯から物干し、ウォークインクローゼットまでを回遊できるおかげで、家事動線がかなり効率化できました」とMさん。洗面室から扉一つでLDKにアクセスできる動線もさらなるショートカットとして有効だったと振り返る。
食事の場と家族がくつろぐ場を別にしたいとの思いから、キッチンとダイニングは横並びに配置。リビングとダイニングキッチンをゆるやかに分ける形をとった。
ダイニングには造作のカウンターデスクを設置し、子どもの学習スペースとした。家事をしながら子どもの宿題を見られるなどコミュニケーションがとりやすく、「目の届くところで子どもの様子を見ていられるのは安心できます」と夫婦でやわらかな笑顔を浮かべる。
ヌックとスキップフロアで空間にリズムが生まれたリビングは開放感があり、南向きの大開口からの採光も十分。空間がひとつながりになっている分、それなりの配慮も必要だったという。「1階からの生活音や料理の匂いが気にならないよう、2階の入り口には戸を設けました。今、子どもたちは1階でほとんどの時間を過ごしていますが、いずれ自分の部屋を持ちたいとなったとき、2階に音や匂いが届かないよう配慮しました」とMさん。
「住み始めてひと月ほどですが、エアコン1台でも暖かく過ごせています。〝ご飯だよー〞の声で家族が集まってくるような、コミュニケーションのとりやすい空間に満足しています」。子どもたちの声を聞きながらほほ笑むTさん夫妻の新生活は、始まったばかりだ。
DATA
床材 | 複合(合板)フローリング、 クッションフロア |
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内壁材 | ビニールクロス |
屋根材 | 陶器瓦 |
外壁材 | 窯業系サイディング |
設計・施工 / 有限会社ミノル建築 | 竣工 / 2022/10 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 206.26㎡(62.26坪)| 床面積 / 113.99㎡(34.41坪) / 1階 84.46㎡(25.50坪)2階 29.53㎡( 8.91坪)ウッドデッキ 6.07㎡( 1.83坪)
暖房設備 / ヒートポンプエアコン(電気)、ファンコンベクター(ガス)| 給湯設備 / エコワン(ガス) | バス / TOTO サザナ | トイレ / 1 階 TOTO GG-J2 2 階TOTO ZJ2 | キッチン / タカラスタンダード グランディア | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / 吹付ウレタン | 換気システム / 第1種換気
建築総工費 / 2,000万円台
坪単価 / 55~60万円