カウンターダイニングを中心に 家族が集まる土間玄関のある家

　土間玄関に置かれたペレットストーブが特徴的なS邸。洗い出しの土間をリビングに引き込むことで、ストーブ自体がインテリアのような存在感を放っている。
　もともと賃貸派だったというSさん夫妻。このまま賃貸に住み続けても良いのではないかと思う一方で賃貸物件は内装など気に入らない部分も少なからずあったという。次第に中古物件のリノベーションも視野に入れながら家づくりについて考えるようになったが、リノベーション前提で中古物件を探してもなかなか適切な物件がないと感じていたところ、ビルダーの照井さんと出会った。これまでS夫妻は設計士さんから直接話を聞く機会が少なかったことから、コストを抑えつつ自分たちの希望を取り入れて建築することができる注文住宅の良さを感じ、新築を決めたという。
　プランで最初に考えたのがペレットストーブを取り入れること。「本当に買ってよかった。暖かさの質が違うと思います。足元がひんやりすることがないんです」とSさんはにこやかに話す。ドイツ製のペレットストーブは、タイマー機能があり、比較的手入れもしやすいという。
　妻のRさんが要望したのは、キッチンダイニングスペース。限られたスペースの中で料理がしやすいようにIHの3連コンロを備え付けている。またダイニングにテーブルをあえて置かずに、キッチンの一角をオープンカウンターにしてテーブル代わりにしたことで、リビングには寝転がれるスペースもつくることができた。小上がり、スキップフロア、個室など家のなかに家族それぞれの居場所があると同時に、ダイニングのオープンカウンターが一家の集う場所というシンボル的な存在にもなっている。「寒い冬の時期もペレットストーブで快適に過ごせそうです」と笑顔で話すSさんの声は、明るく弾んでいた。