アトリエのある平屋で 庭とつながる暮らしを実現
転勤に伴い東北各地に住んできたというSさん夫妻。Sさんの定年後は夫妻の出身地である秋田にUターンすることを決め、土地や物件を探すとともにハウスメーカーの見学を始めた。妻のMさんの実家を建て替えることにし、各社の提案のなかでもっとも納得できたのが村上商店のイメージ図だった。親の代から丹精込めて手入れしてきた庭を生かした、L字型のデッキのある平屋が描かれていた。
この家の特色は、敷地の南北の幅をフル活用した長いLDKだ。屋根勾配に沿って傾斜する天井空間と相まって、床面積に比して広々として見えるように配慮されている。キッチン、リビングから書斎スペース、水回りと寝室、ウォークインクローゼットまですべてがひとつながりになっている。「まっすぐ移動するだけで生活のすべてにアクセスでき、ストレスなく暮らせています」とSさんは話し、使い勝手の良さを実感している。
また、フラワーデザイナーとして活動するMさんのたっての要望で、洋室一室をアトリエとしている。アトリエでは教室のために花材を仕分けたり、作品を制作したりするという。「ドライフラワーなどの花材や花器がたくさんあるので、それが納められる収納をお願いしました」とMさん。壁一面に設けた収納にすっきりと収まっている。「今後は、制作のほかにプライベートレッスンなど、自宅でできることも増えそうです」と、期待に胸を膨らませる。LDKと同じくアトリエも庭に面しており、L字型のデッキで外部につながる。晴れても雨が降っても庭の眺めが心を和ませてくれるという。
実際に住んでみて実感しているのは「年間を通して家じゅうの空気がさらっとしている」ことだそう。夏のじめじめした時期でも、壁や空気がベタベタすることがなかったそうだ。冬は蓄熱式の暖房のおかげで家のなか全体がじんわりと暖かく、乾燥しすぎることもない。「この家なら、これからもずっと健康に暮らしていけそうです」とSさん夫妻は口を揃えた。
DATA
床材 | 無垢(秋田杉) |
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内壁材 | 塗り壁(漆喰) |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
外壁材 | 塗り壁 (ソトン壁左官仕上げ) |
設計・施工 / 株式会社村上商店 | 竣工 / 2022/5 | 構造・工法・規模 / 木造軸組パネル工法・1階建 | 敷地面積 / 258.57㎡(78坪)| 床面積 / 109.03㎡(33坪)/ 1階 109.03㎡(33坪)
暖房設備 / 蓄熱式暖房(電気)| 給湯設備 / エコジョーズ(ガス)| バス / TOTO サザナ | トイレ / TOTO GG1 | キッチン / トーヨーキッチン ベイシリーズ | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eトリプルガラス | 断熱材 / グラスウール、XPS(押出ポリスチレン) | 換気システム / 第3種換気
建築総工費 / 3,000万円台
坪単価 / 85~90万円