モデルハウスがお手本　モダンさと性能を兼ね備えた家

　吹き抜けになったリビングの大窓が室内に抜群の開放感を見せるO邸。リビングから2階を見上げると、廊下の壁の一部がガラスになっており、廊下と階段がまるで一枚の絵画のような趣を見せている。大きな窓が室内に導く光や景色は、LDKに朝と夜で違った表情を見せる。海外のインテリア雑誌を見るのが大好きだと話すＯさんは、若い頃から、30代で一軒家を持ちたいと考えていた。10年ほど前、まだ実家に住んでいたとき、近所で開かれた住宅の内覧会を家族で見に行き、そのデザイン性の高さに惹かれ、家を建てるときには児玉さんにお願いしたいと考えていたという。
　Ｏさん夫妻が重視したのは、自分たちが好きなモダンな家具が映えるデザイン性と、暮らしやすい機能性の高さの両面を備えた家だ。白とグレーを基調に、ウォールナットの床や秋田杉の一枚板といった天然素材をアクセントに加えた。このようにモノトーンを中心として3色までしか色を使わないのがOさんが家づくりに際して決めたポリシーだったという。Oさんは、家にカラフルな味わいを加えるのは「住む人」、すなわち「自分たち」というスタンスで家づくりを進めてきた。「モダンでシンプルなリビングのつくりは、何よりゆっくりとして落ち着くでしょう」とにこやかに話す。
　一方、妻のAさんが家づくりで重視したのは、キッチンまわりの導線だった。生活感が出るものは、見せない工夫をして収納し、すっきりとした印象だ。収納をたっぷりと設けることで、部屋に余白が生まれている。「これからどんな家具を置いて、家のデザインを引き立てようか」。Oさん夫妻の思いが詰まった家づくりのストーリーはまだ始まったばかりだ。