純和風から西海岸スタイルへ リノベーションで生まれ変わる家

建て替えか、リノベーションか……。迷っていたIさん夫妻の背中を押したのは、
インデュアホーム秋田の茂木さんの一言だった。「古い住宅はむしろ骨組みがしっかりしている。
リノベーションで生かしましょう」。さらに、提案されたイメージ図を見て「これしかない」と2人の気持ちは固まった。
それは築30年ほどの純和風住宅を、カバードポーチを備えた
アメリカ西海岸のサーファーズハウスに生まれ変わらせるプランだった。
　「古い家は冬は寒く、縦長のつくりで家の中の移動も不便だった」と話すＩさん夫妻。
子どもを授かったタイミングも重なり「新しい環境で子育てしたい」という思いが高まっていた。
もともと平屋暮らしだったため、上下移動のない平屋を迷わず選択。断熱工事を追加して寒さ対策を万全にし、
メンテナンスの容易な屋根と外壁に張り替えを行った。また、減築して床面積を縮小し、
アイランドキッチンのあるLDKを中心にフラットな床面で各部屋へとつながる間取りとした。
　内装には無垢材の床やドア、輸入建材などの自然素材をふんだんに使用した。
キッチンにはレッドシダーをヘリンボーンに貼っている。
全体的に白をベースとし、差し色としてドアの一部にオレンジやブルーなど
鮮やかな色を取り入れて空間にメリハリを持たせた。
「基礎工事の費用を抑えられた分、建材や内装に予算を回すことができました」と妻のＹさん。
完成から2年ほど経過しており、床の色が少しずつ変わってくるなど、無垢材ならではの経年変化も楽しんでいる。
　「ポーチで過ごす時間が好きです。雨の日も、子どもたちは外に出てよくポーチで遊んでいます」とYさん。
Iさんもポーチで一息つくのが至福の時間という。DIYが得意なIさんは、
スペースに合わせて自作の家具をひとつずつ加えている。
「これから玄関アプローチに手を入れたり、庭づくりをしたりするつもりです」と、
楽しい家づくりの構想はまだまだ続く。