変形地にビルトインガレージのある個性豊かな家

　道路沿いの三角の敷地に白いモダンな外観とビルトインガレージが印象的なT邸。「変形地は嫌がられることも多いようですが、この立地が気に入ったことと、木川さんに頼めば大丈夫だろうと思ったんです」とTさん。木川さんが手がけた店舗の設計などを以前から知っていたというTさんは「キカワ建築事務所は設計・施工が一貫しているので、建築家と家づくりをする自由さやデザイン性の高さなどのメリットと、地元工務店で家づくりをする安心感といったメリットの両方を兼ね備えているので、コストパフォーマンスという意味でも満足できる家づくりができました」と話す。
　Tさんからの要望は「最低３台以上の駐車スペースと、部屋数はリビング以外に3室ほしい」というもの。変形地かつ45坪未満と、難しい課題だったが、木川さんも「狭いからといってこだわりを犠牲にすることはありません」と力強く答え、提案したのがこのプラン。2階リビングは、窓からの景色を楽しめる大開口を設置。くつろぎのスペースであるリビングのプライバシーは守りつつ、見晴らしを確保するという解決方法である。特筆すべきはホール。ここを中心にバス、洗面、トイレ、寝室、キッチン、リビングすべてにリーチできるのである。家事動線にも負担が少ないこの間取りは、この変形地の特性を生かした好例といえる。さらに、Tさんたっての希望であったビルトインガレージ1台分に加えて3台分、つまり合計4台も駐車できる駐車スペースを確保したのである。これにはリクエストを出したTさんも驚いた、と家づくりを振り返って笑う。
　建築家との家づくりはハードルが高そうというイメージがあるが、成功の秘訣はどこにあったのか。「要望だけは伝えて、デザインなどは木川さんに任せたのがよかったんだと思います。木川さんの作るものが好きだったし、信頼できる人だと思っていたから、こうして任せることができたようにも思います。仕上がりには自分でも大満足です（ Tさん）」。