WORKS JUU掲載の施工事例

CASE28 住建トレーディング / K邸

住むほどに実感高性能の店舗兼住宅

 K邸は、12年前に妻のKさんが営む美容室「カットハウスK」の店舗の新装開店の目的で建てられた。「以前住んでいた古い家は、もうとにかく寒くて。だから建て替えるときは絶対、暖かい家がいいと思っていました」とKさん。住建トレーディングの内覧会に足を運んだ際、「FPの家」に出会う。
 「FPの家」は北海道で生まれた、全国にフランチャイズをもつハウスメーカーの商標名。北欧の高気密高断熱住宅の快適性を目指して開発されたウレタン断熱パネルを用いた住宅を、地域に合わせたかたちで設計・施工している。もともとは冷蔵庫などに使用されていた断熱材を、建材として自社生産することで住宅に使用できるようにした点で画期的だった。北海道発祥だけに、冬に対する対策が万全なのも特徴である。
 暖房はエアコンではなく、全室パネルヒーターを採用した。営業の長谷川さんは「初期費用は少しかさみますが、輻射熱で温まるから体に負担が少ない。パネルヒーターを導入していただくと、FPの家の断熱性能の良さと快適さをよりいっそう実感してもらえるのでは」と話す。入居してから12年が経つが、冬の過ごしやすさは「もう最高。お店も自宅も薄着で行ったり来たりできるから、たまに外に出ると寒くて驚くぐらいですよ(Kさん)」。
 子どもたちも独立して、夫婦二人の生活になった今でも、お店を営んでいるK邸では来客が多い。ちょっとした来客にも、「まず座って」とすすめられる通り土間を採用した。式台は立派なケヤキの一枚板がしつらえてある。これは夫のKさん自ら気に入る木材を求めて、住建トレーディングの社長とともに県内の製材所を回って選び出したというこだわりの逸品だとか。通り土間の天井には床の間やお茶室に使われることも多い網代天井を採用。伝統的な意匠ながら現代の暮らしにもマッチしている。天井を押さえる役割のある竿縁には樺細工があしらわれ、粋を尽くしたしつらえとなっている。

DATA
床材ナラ無垢材、耐水フロア(水回り)
壁材クロス
窓仕様樹脂サッシLow-Eペアガラス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材モルタル吹き付け
Q値1.6W/㎡K

設計・施工 / 株式会社住建トレーディング | 竣工 / 2002/6
構造・工法・規模 / 木造・軸組工法(FP工法)・2階建 | 敷地面積 / 293.65㎡(約89坪) | 床面積 / 230.72㎡(約70坪) / 1階 143.96㎡(約44坪) / 2階 86.76㎡(約26坪) / ベランダ 12.00㎡(約3.5坪)

暖房設備 / 電気温水パネルヒーター | 給湯設備 / 電気温水器 | バス / Panasonic Nais GS | トイレ / INAX サラティス | キッチン / Panasonic Nais オーメイド | 調理設備 / IH | 調太陽光設備 / 4.0kW

建築総工費 / 3,700万円台
坪単価 / 50~55万円
太陽光発電設備費用 / 280万円