WORKS JUU掲載の施工事例

CASE295 アベ建 / K邸

受け継いだものと素材を生かす 木に囲まれたリノベーション空間

樹種の個性、一枚一枚の板の表情が映えるよう適材適所に配された無垢材。
K邸のLDKは、木質感あふれる唯一無二の空間だ。杉板張りの天井は室内に明るさをもたらし、
幅と色調の異なるケヤキ材が並べられた腰高壁は空間を彩るアクセントに。
西南桜の床材がもつほんのりとしたピンクと、柔らかい足触りが温もりを感じさせる。
 木の香りに包まれるこの部屋は、アベ建によるリノベーションで生み出されたもの。
以前は細切れになっていた部屋を一つの空間としたことで、木の豊かな表情が生きるLDKとなった。
Kさん夫妻は、妻のSさんが育った実家を両親から譲り受け、理想の住まいを目指しリノベーションを計画。
およそ築30年だった建物の基礎、柱、階段の一部をそのまま生かすスケルトンリノベーションを実施した。
新築に比べて土地や基礎などのコストが抑えられた分、自然素材とデザインを重視した家づくりが可能となった。
2階の主寝室はリビングと同種の無垢材を使用しながらも、木目の組み合わせ方によって変化をつけ、落ち着きのある空間になっている。
南側にはサンルームを設け、壁一面に調湿効果のあるヒノキ材を採用。大開口の窓からは陽光が降り注ぎ、室内干しの洗濯物も気持ちよく乾く。
 今回リノベーションに踏み切ったのは、以前の家の断熱性能の低さに不満があったからだとKさん。
壁の一部にしか断熱材が入っておらず、室内でも寒さを感じていたという。
スケルトンリノベーションにより、現在の断熱性能は新築同様のレベルに。リビングのエアコン一台のみでどこにいても温かく過ごせる。
「夫婦ともに満足のいく空間になりました」とKさん。大切な家を受け継ぎながら、自分たちらしさがあふれる住まいへ。
経年美も深まる本物の木の空間で、新たなストーリーが始まっていく。

DATA
床材無垢(西南桜)
複合(合板)フローリング
内壁材ビニールクロス、
紙クロス(マリメッコ)、
ヒノキ
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材ガルバリウム鋼板、
木材(スギ)

設計・施工 / 有限会社アベ建 | 竣工 / 2021/10 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 198.36㎡(60.00坪) |床面積 / 132.21㎡(40.00坪)1階 76.85㎡(23.25坪) 2階 55.36㎡(16.75坪)

暖房設備 / ヒートポンプエアコン(電気)| 給湯設備 / エコキュート(電気) | バス / タカラスタンダード レラージュ | トイレ / TOTO ピュアレストQR、LIXIL ベーシア | キッチン / タカラスタンダード トレーシア | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / 吹付ウレタン | 換気システム / 第3種換気

建築総工費 / 2,200万円台
坪単価 / 50~55万円