WORKS JUU掲載の施工事例

CASE288 建匠 / W邸

開放感と暖かさを追求 暮らしやすさを導く回遊動線

暮らしやすさを決めるのは広さだけではない。2人の子どもを持つWさん夫婦が重視したのは、コンパクトさと開放感。
その両者を成立させるアイデアが、住まいの随所に光っている。
 まず入って驚くのは、雪の多い県南地域にはめずらしいオープンな玄関だ。
玄関ホールからLDKまでを仕切りのないひとつづきの空間へ。戸袋には半透明の引き込み戸が隠れているが、
冬の期間も含めて普段からオープンにしているという。リビングの耐力壁は腰の高さまではセルフペイントで仕上げ、
テレビやソファを置くプライベートスペースの目隠しに。上部はあえて柱を現しにし、視線の抜けを確保した。
中庭の植栽が望める大きな窓や、南向きの高窓から差す豊かな採光が、気持ちのよい明るさを演出する。
 家づくりの本を見ながら理想の住まいへのイメージを固めていったというWさん夫妻。
ビルダー選びでは地元ビルダーであること、希望に合わせた柔軟なプランニング、高断熱高気密などを基準とし、建匠への依頼に至ったという。
「家事動線はドアの開閉を極力少なくして行き来できる点にこだわりました」と妻のAさん。
玄関ホール東南側のドアからつづくのは、I字型の裏動線だ。靴や衣類、
子どもたちの学校道具など外出に必要なものを集約したウォークスルークローゼット、日当たりのよいサンルームが一直線に並ぶ。
北側の廊下を通じて水回り、そしてLDKへとつながる回遊動線になっているのがポイントだ。
 生活に必要な収納スペースを裏動線に集約することでLDKではゆったりと生活ができるという、メリハリのきいた間取りである一方、
Wさんが気がかりだったのが断熱面だったという。トリプルサッシの窓や付加断熱も綿密に試算し、設計に盛り込んだ。
そのおかげもあり、リビングに配するペレットストーブひとつで十分なほど暖かく、四季を通じて快適な温熱環境となった。
 夫婦それぞれが求めていた理想空間。憂うつな冬を吹き飛ばすように無邪気に駆け回る子どもたちの笑い声が響いていた。

DATA
床材無垢(西南桜)、
フロアタイル
内壁材ビニールクロス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材ガルバリウム鋼板、
木材(杉)

設計 / 株式会社建匠 | 施工 / 2018/7 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 277.41㎡(83.91坪) |床面積 / 108.65㎡(32.87坪 )/ 1階 66.10㎡(20.00坪)2階 42.55㎡(12.87坪)屋外木造カーポート 29.74㎡(9.00坪) 

暖房設備 / エアコン(電気)、ペレットストーブ | 給湯設備 / エコキュート(電気) | バス / Panasonic FZ | トイレ / Panasonic アラウーノSⅡ、V | キッチン / Panasonic ラクシーナ | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-E トリプルガラ | 断熱材 / グラスウール、EPS(ビースポリスチレン) | 換気システム / 第1種換気 | UA値╱0.30W/㎡ K | C値╱0.20㎠/㎡

建築総工費 / 2,200万円台
坪単価 / 65~70万円