WORKS JUU掲載の施工事例

CASE286 櫻田建設 / S邸

木材をふんだんに使って 腕利きの棟梁が手がける空間

「2年前の結婚当初から、住宅を建てたいと思っていました」というSさん夫妻。ビルダー選びには1年ほどかけたという。「職場の同僚が櫻田建設で家を建てていて、住み心地の良さや大工さんの仕事が丁寧であることなどを聞けたのが大きかった」とSさんは語る。北国の厳しい自然環境に耐える家づくりに定評のある、櫻田建設が今回初めてタッグを組んだのが、あくび建築事務所だ。同事務所代表の筒井さんは「もともと同社の大工さんと知り合いで、Sさんご夫妻とも同世代だしやってみないか、と声を掛けてもらいました」と経緯を話す。
 吹き抜けのリビングを筆頭に、モダンなデザインと動線の良さなど使いやすさが両立された心地よい空間が広がる。子どもの頃から吹き抜けにあこがれていた、と妻のNさん。Sさんも「吹き抜けは寒いのではないかと心配しましたが、暖かく過ごせています」と満足げだ。クリの無垢材の床は優しい色味が空間に温もりを添えている。「クリは和風建築に多く使われる素材ですが、硬くてキズもつきにくいというメリットは小さいお子さんや室内犬がいるお宅などにはピッタリ。デザイン次第でモダンな住宅にも使えると考え、ご提案したところお二人も気に入ってくださいました」と筒井さんは話す。
 設計に当たってのやりとりはとてもスムーズだったという。SNSの画像などでイメージを共有していたほか、Sさんたちの暮らし方や好みを聞き取り、設計に反映させていった。ビルダーと設計事務所の両者に共通する、施主との対話を重視する姿勢が表れた仕事ぶりといえる。外部物入れと玄関の屋根をつなげた配置など「常に想像以上のアイデアを提案してもらいました」とNさん。
 「すべてがよくて、家のなかのお気に入りの場所はと聞かれても一つに絞れないほど」というNさん。厳冬期でも家じゅうが暖かく、どこにいても快適なところが気に入っている。共働きということもあり、2人が揃って自宅で過ごす時間は限られている。「この家で休日を満喫すること」がこれからの目標。庭でのバーベキューや2階のフリースペースをどう活用するかなど、楽しい計画が待っている。

DATA
床材無垢材(栗)、
複合(合板)フローリング
内壁材ビニールクロス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材窯業系サイディング

設計 / あくび建築事務所 | 施工 / 有限会社 櫻田建設 | 竣工 / 2021/10 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 236.74㎡(71.61坪) |床面積 / 117.58㎡(35.57坪) / 1階 72.87㎡(22.04坪)2階 44.71㎡(13.52坪)

暖房設備 / 寒冷地用エアコン(電気)、温水ルームヒーター(ガス) | 給湯設備 / エコジョーズ(ガス) | バス / TOTOサザナ | トイレ / 1 階 TOTO ネオレスト、2 階TOTO ピュアレストEX | キッチン / LIXIL リシェル | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-E
ペアガラス | 断熱材 / フェノバボード、吹付ウレタン | 換気システム / 第3種換気

建築総工費 / 2,600万円台
坪単価 / 70~75万円