WORKS JUU掲載の施工事例

CASE271 山脇組 / Y邸

コンセプトは「永く住む」。 深い軒のある平屋。

 深い軒がかかった大きなウッドデッキのある平屋。山脇邸は、山脇組の代表を務める山脇幹さんの自邸だ。
 山脇組は湯沢の地で、公共事業や大型商業施設など、土木・建築を中心に、多肢にわたる事業を展開している建設会社。古くは、国登録文化
財となっている山内家住宅をはじめとする文化財の建築に携わってきた。令和2年で創業百年を迎え、これを機会に住宅建築部門を「山脇組の家」として再構築。改めて永く残る建築物、永く暮らす住宅とは何かを見つめ直し、現代の工法や素材、技術、そして建築費や維持管理費を
総合的に考え、「永く住む」をコンセプトにした家づくりに取り組んでいる。
 豪雪に耐える丈夫な構造、冬は暖かく夏は涼しい断熱性能、年月を重ねるほどに味わいを増す素材、飽きのこないデザイン。そして、地域に密着しているからこそのメンテナンスや県産材、県内メーカー製品へのこだわり。この住まいは、こうした山脇組の家のコンセプトを体現している。
 そのうえで、施主の立場としては開放的に暮らせる家にしたかったそうだ。湯沢と言えば県内有数の豪雪地帯で、冬は曇天の日が多く雪に囲まれ、夏は盆地ならでは蒸し暑い地域だ。そんな地域でも開放的に暮らすために、深い軒がかかった大きなウッドデッキを設えた。夏は深い軒が強い日射を遮って涼しく、冬は高度の低い柔らかな日差しを室内に導
いてくれる。雨や雪の日でもウッドデッキに出てリフレッシュする、そんな暮らしを可能にしている。
 「こころだに まことの道にちがい那ば 人の為より わがよきことを」。これは、山脇組五代目山脇新八が残した言葉だそう。山脇さんは、「この言葉を家づくり置き換えると、『自分が本当に良いと思える家を造ることが最善の家づくり』と理解して、自邸のみならず、すべての家を同じように造っていきたい」と語った。

DATA
床材無垢3 層フローリング
(ナラ)
内壁材ビニールクロス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材塗り壁
(ジョリパット)

設計 / 株式会社梛木 | 施工 / 株式会社山脇組 | 竣工 / 2020/12 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 819.30㎡(248.27坪) | 床面積 / 160.65㎡(48.68坪) / 1階 147.41㎡(44.68坪)ウッドデッキ 13.24㎡(4.00坪)

暖房設備 / エアコン(電気)、ペレットストーブ(日本製) | 給湯設備 / 灯油(その他)| バス / クリナップ アクリアバス | トイレ / TOTO ネオレスト | キッチン / クリナップ セントロ | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / アルミ樹脂複合サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / 吹付ウレタン | 換気システム / 第3種換気

建築総工費 / 3,800万円台
坪単価 / 75~80万円