WORKS JUU掲載の施工事例

CASE270 建築スタジオKivana / S邸

内装や建具に木材をいかす 調和の取れたくつろぎの空間

JR奥羽本線沿いにあるS邸。「周辺は落ち着いた住宅地で静かです。たまに電車が通るとき以外はね」と笑顔を見せるSさん。鉄道に夢中の長男は大喜びで、毎日自宅から電車を眺めている。Sさん夫婦は賃貸アパート暮らしだったが、家族が増えたのをきっかけに住宅取得を考え始めた。別棟の車庫がある中古物件に出会い購入。リフォームも考えたが、
見学した建築スタジオKivana の展示場を気に入り、建て替えることにした。もとからあった車庫は、リフォームして使用している。
 優しい木目が特徴の無垢のカバ材を床に張っているほか、梁や建具にその場に合わせたさまざまな木材を使用している。一方で、木部だけが
目立つということがなく、白い天井や柔らかなアクセントカラーを配し
た壁との調和が取れている印象だ。「木の床や手すり、リビングの落ち
着ける雰囲気が気に入っています。仕事から帰ってくつろぐ場所ができて、自分たちの家という実感がわいてきました」とSさんは話す。
 キッチンから見えるところに畳のスペースを設けたのは、妻のYさんの希望。キッチンに立ちながら、長男が遊んだり昼寝をしたりしているのを見守ることができる。また、Yさんの役割が大きかったのが、壁やアクセントウォール、建具の色決めだったそう。1階の壁塗装の色の選択肢はおよそ1000種にものぼる。膨大ななかからこれと思うものを選ぶのは大変な作業だが「楽しんでやってもらった印象で、色のチョイスは私たちにも参考になりました」と設計・施工を行った代表の佐藤さん。
 建築スタジオKivana は自然素材を使うことと既製品に頼りすぎないものづくりを重視しており、施主の要望や予算に合わせたうえでオリジ
ナリティーを追求している。キッチンカウンターや洗面台、ドアにいた
るまで造作がなされている点にも、その姿勢が表れている。Sさんも「予想以上のできばえ。子どもの病気などでまったく外出できないとき
もあったが、この家のおかげでストレスなく過ごせています」と満足そ
うだ。

DATA
床材無垢(カバ材)
内壁材塗り壁(HIP塗装)、
ビニールクロス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材ガルバリウム鋼板、
木材(秋田杉)

設計 / 佐藤和憲 | 施工 / 建築スタジオKivana(株)| 竣工 / 2021/4| 構造・工法・規模 / 木造軸組パネル工法・2階建 | 敷地面積 / 281.44㎡(85.03坪) |床面積 / 111.37㎡(33.64坪) / 1階 61.69㎡(18.66坪) 2階 49.68㎡(15.02坪)ウッドデッキ 5.01㎡(1.50坪)既存車庫リフォーム 39.74㎡(11.99坪)

暖房設備 / エアコン(電気)、灯油(FF式ストーブ) | 給湯設備 / エコフィール(灯油) | バス / TOTO サザナT | トイレ / TOTO GG1 | キッチン / TOTO クラッソ | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-eペアガス入り、防火対応 | 断熱材 / フェノールフォーム | 換気システム / 第1種換気 | UA値 / 0.4W/㎡K | C値╱0.4c㎡/㎥

建築総工費 / 2,200万円台
坪単価 / 65~70万円