WORKS JUU掲載の施工事例

CASE268 建築工房Answer/ S・M邸

ウッドデッキと植栽でつながる 新しい二世帯住宅のカタチ

 二世帯住宅と言えば、一棟を上下または横に生活空間を分けることが一般的だが、この二世帯住宅は、棟を完全に分け、ウッドデッキと植栽でつながっている。
 建築前は同居していたという父のSさん世帯と娘のMさん世帯。建築年数が経っただけではなく、Sさんが年齢を重ね2階との上り下りが大変になってきたこともあって住み替えを考えはじめたそうだ。
 SさんとMさんは、Sさんが経営する病院で医師を勤めている。家族として、そして同じ病院で患者を診る医師としても支え合っていることもあり、離れて暮らすことは考えていなかったが、「建物を分けた方がお互いに気兼ねなく、クオリティの高い暮らしが叶う(Sさん)」、「子
どもたちの成長と自立を考えると、実家に甘えすぎない方がいい( Mさ
ん)」という考えから、同じ敷地内に2棟建築することに決めたそうだ。建築を依頼したアンサーとは別々に出会ったそうだ。Sさんは知人に薦められ、MさんはCMや雑誌で。「1階の寝室と水廻りが隣接したプ
ランを気に入り、素材や性能はホームページで確認して、安心して決め
ました」とSさん。Mさんも「木の暖かみのある家、薪ストーブのある
ロッヂ風の家を希望していたので、NEXTという展示場を見たとき、まさに『これだ!』って思いました」と意気投合して決めたという。
 こうしてはじまった2世帯の家づくり。建物は2世帯それぞれが希望を出しながら、別々に打ち合わせを重ねたという。「私たちのこれからの暮らしを自分事のように考えてくれて、ぼんやりしたイメージでも話せば伝わる安心感、説明の的確さ、施工の丁寧さに信頼が持てました」と父娘で口をそろえる。レイアウトは、「2世帯の距離感やつながり、共有する庭の眺めを考えた(アンサーの田中代表)」というアンサーからの提案だったという。
 暮らしはじめ、普段はお互いに気兼ねなく暮らしながら、2棟の大窓からは同じ庭を眺め、天気のいい日には、2棟の間にある広いウッドデッキに出てお茶を飲んだり、食事をしたり。何かあってもすぐそこにいる。新しい二世帯住宅のカタチを心底楽しんでいるようだ。

DATA
床材無垢(パイン)[A 棟]、
無垢(アルダー)[B 棟]、
磁器タイル
内壁材オガファーザー
+ 天然水性塗料塗装、
木(レッドシダー)
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材塗り壁
(透湿プレミアムウォール)

設計・施工 / 株式会社 建築工房Answer | 竣工 / 2020/12 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 652.13㎡(197.26坪) |[ A棟] 規模 2 階建 床面積 / 157.44㎡(47.62坪) / 1階 102.68㎡(31.06坪) 2階 26.08㎡(7.88坪)デッキ 6.62㎡(2.00坪) |[ B棟] 規模 2 階建 床面積 / 155.72㎡(47.10坪) /1階 86.11㎡(26.04坪) 2階 44.92㎡(13.58坪)デッキ 9.82㎡( 2.97坪) |[ 共有] デッキ 9.90㎡(3.00坪)

暖房設備 / ヒートポンプエアコン(電気)、薪ストーブ(ダッチウエスト社製) [B 棟] | 給湯設備 / エコキュート(電気) | バス / タカラスタンダード リラクシア | トイレ / 1階 TOTO GGJ、2階 TOTO ZJ | キッチン / タカラスタンダード グランディア | 調理設備 / I H | 窓仕様 / 木製サッシ真空トリプルガラス | 断熱材 / 木質繊維板(外)+木質充填断熱材(内) | 換気システム / 第1種換気

建築総工費 / 3,000万円台[A棟]、
2,900万円台[B棟]
坪単価 / 60~65万円