秋田杉でつくる 高断熱・高気密の平屋
扇建設の専務を務める川口さんの自邸。結婚すれば新居が必要だろうし、それまでは会社のモデルハウスとしても活用できるということで建築。敷地は、将来的につなげることを考えて実家の敷地内、規模は当面夫婦二人が暮らすに十分な広さを備えた平屋にした。
川口邸に入ると、まず素材に目を奪われる。床と天井に張られた木目が美しい秋田杉、赤身と白身のコントラストが美しいレッドシダーで造作された収納、ジョリパッドの塗り壁、素材の良さと丁寧な仕事が一目でわかる。
玄関からまっすぐ伸びた廊下を抜けたリビングは、大開口からの光が床や壁に柔らかく反射して明るく、梁を現しにすることで上げた天井高も手伝って開放的。そして、室内は木の香りに包まれ、木の持つリラックス効果を体感できる。
川口邸は、モデルハウスとしての役割もあって、扇建設の家づくりを体現したという。まずは、高断熱・高気密の住宅性能とそれに支えられた環境との共生。ヒートポンプ土間蓄熱床暖房を採用し、家全体を床下に設置されたヒートポンプエアコン1台が暖めている。太陽光発電機も設置して、当然ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)だ。
次に、地場の秋田杉を積極的に使用すること。秋田杉の持つ肌触りや香り、美しさといった癒し効果のみならず、地場の素材を使うことによる環境負荷の抑制や地域の活性化への貢献を考えてのことだという。半世紀以上、永く地域に根差した工務店の家づくりだ。
今はまだ独身だという川口さんだが、自社が永く取り組んできた家づくりの考え方に共感しているそうで、そう遠くない未来に訪れるであろうパートナーとともに、扇建設の家づくりを担っていきたいそうだ。
DATA
床材 | 無垢(秋田杉)、クッションフロア |
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内壁材 | 塗り壁(ジョリパット)、ビニールクロス |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
外壁材 | 木材(秋田杉)、 塗り壁(ジョリパット) |
UA値 | 0.37W/㎡K |
C値 | 0.25c㎡/㎡ |
ZEH |
●設計・施工/扇建設株式会社 ●竣工/2018/3 ●構造・工法/木造軸組工法(在来工法) ●規模/1階建 ●敷地面積/1155.00㎡(350.00坪) ●床面積(総)/73.70㎡(22.29坪) 1階 73.70㎡(22.29坪)
●暖房の種類╱ヒートポンプエアコン(電気) ●給湯の種類╱エコキュート(電気) ●バス╱タカラ プレデンシア1616 ●トイレ╱Panasonic アラウ-ノ ●キッチン╱タカラ エーデル ●調理器具╱IH ●窓仕様(主なもの)╱樹脂サッシLow-Eペアガラス ●断熱材╱グラスウール、XPS(押出ポリスチレン) ●換気システム╱第1種換気 ●太陽光発電設備╱11.0kW
建築総工費 / 1,780万円台
坪単価 / 75~80万円
太陽光発電設備費用 / 330万円