減築によって手に入れたのは 明るさと可変性のある住みよい暮らし
一歩足を踏み入れると、光あふれる室内に思わず声が漏れる。リビングはもちろん、和室やキッチン、玄関でさえも、部屋のどこからでも坪庭のように庭が目に入るのだ。しかもその庭の立派なこと。「元は築180年の茅葺き屋根の家だったんです」とMさん。約70坪もあった広大な屋敷を思い切って25坪の平屋に減築したのが、この家だ。定位置のリビングのソファからは南面・北面それぞれの窓から先祖代々受け継いできた庭を眺めることができる。
テーマは「庭が楽しめて、人が集まる家」。普段は一人暮らしのMさんだが、正月・GW・お盆になると息子家族も帰って来るので賑やかに。親類や友人など来客に加え、法要などの集まりもある。そこで、20帖近いLDKに加えて、続き間として使用できる和室を2部屋完備した住まいとなった。
義両親や夫を見送り、一人暮らしになったのを機に、建て替えを実行したMさん。「夫の生前から建て替えの話はしていたので、あまり迷いはなかったですね」と振り返る。「ヨシのいえのことは内覧会で知りました。断熱性能や自然素材を使っている点に加え、可変性の高い家づくりをしているところに強く共感して」とビルダー選びの決め手を語る。ヨシのいえは、将来の間取り変更の可能性を考慮に入れて、スケルトン(構造躯体)とインフィル(内装や設備)が分離された構造の住まいづくりも積極的に行っているのだ。「代表の山田さんから、この家と敷地なら、将来息子家族と住むことになったら、2階を作って縦にも、1階に部屋を増やして横にも、いかようにでも住み方を変えられますね、と言っていただきました。ライフスタイルに合わせて家を変化させていくことができるというのは目から鱗が落ちる思いでもあり、合理的だなと納得して」とMさん。「古い家は暗くて寒かったのが、こんなに暖かくて明るい住まいになって快適です」とさっぱりした様子で語るのだった。
DATA
床材 | 複合(合板)フローリング |
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内壁材 | ビニールクロス |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
外壁材 | ガルバリウム鋼板、木材(杉) |
Q値 | 1.27W/㎡ K |
UA値 | 0.33W/㎡ K |
C値 | 0.24c㎡/㎡ |
耐震等級3 |
●設計・施工/株式会社 ヨシ ●竣工/2019/9 ●構造・工法/木造枠組壁工法(2×6工法) ●規模/1階建 ●敷地面積/902.09㎡(272.34坪) ●床面積(総)/83.63㎡(25.29 坪) 1階 83.63㎡(25.29坪)
●暖房の種類╱FF式石油暖房機(灯油) ●給湯の種類╱エコフィール(灯油) ●バス╱TOTO サザナ HS ●トイレ╱TOTO ウォシュレット 一体型 ●キッチン╱クリナップシステムキッチン ラクエラ ●調理器具╱IH ●窓仕様(主なもの)╱樹脂サッシLow-Eトリプルガラス ●断熱材╱高性能グラスウール(16K.32K) ●換気システム╱第3種換気
建築総工費 / 1,800万円台
坪単価 / 70~75万円