LDKの大開口が見せる ダイナミックなパノラマビュー

　のどかな田園地帯に、東西45メートルと迫力のスケールで建つK邸。完全独立型の二世帯住宅である。二世帯の間は軒をかけた駐車スペースでつながる。「雨に濡れずに双方の住まいを行き来できるのがいい」とKさん。この駐車スペースが視線の抜けを生み、ファサードに部分的に配した秋田杉が温かみ添えている。全面リブガラスを使用したダイナミックな開口部が印象的な子世帯のLDKからは、四季折々のパノラマビューが楽しめる。
　「車のショールームのようにしたい」というのが、車好きのKさんのオーダーだった。リビングのリブガラスはカーディーラーのショールームに採用されているもの。リビングはスキップフロアを採用し、窓側は磁器タイル土間としている。季節ごとに変化する外の景色はそのままリビングに導かれ、自然の営みを五感で享受するぜいたくな日常を作り出した。
　5台分ある駐車場のうち、1台のビルトインガレージはガラス張りになっており、玄関から愛車眺められるようになっているのも、Kさんの趣向に配慮した結果だ。
　結婚を機に家づくりをすることにしたKさん夫妻。この敷地は以前、Kさんの実家が建っていた土地だった。「祖父の代で建てた家でしたが、老朽化もありましたし、生活動線がいいとは言い難かったんです」とKさん。そこで親世帯は平家に、子世帯も基本的には1階で生活が完結する間取りにした。
　リビングは開放感がほしかったので、家具を置かなくてもすむ掘りごたつ式のスキップフロアを採用した。「友人が集まる折にはこのプランでよかったなと思います。椅子の数に来客数を制限されませんし、普段も広々と暮らせます」とKさん。「両親も階段の上り下りがなくなって暮らしやすいと言っています。親孝行のつもりもあって建てた住まいだったので、家族皆で満足のいく住まいになってよかった」としみじみ語るのだった。