緑を室内に導いた、 開放感のある住まい

　アイランドキッチンの上方の大きなピクチャーウインドウから、リビングには明るさがもたらされる。LDKの窓からは庭の眺めが広がり、隣地に広がる林の新緑は芽吹きが目に鮮やかだ。
　「開放感のある空間を希望していました。扉も壁も少なくていいから、家族が一緒に過ごせる空間をできるだけ快適なものにしたかったんです」と話すのは妻のYさん。その思いを叶えるべく、代表の花田さんは敷地に対してめいっぱい広さを確保したうえで、小上がりの畳コーナーで水平方向の広がりを、吹き抜けで立体的な広がりを演出。ドアや階段の手すりなども可能なかぎり圧迫感を与えないものをセレクトしている。
　アイランドキッチンに立つと右にパントリー、左にはランドリールームと一直線になった家事動線も非常にスムーズ。料理をしながら、リビングでくつろぐ子どもたちに目配りをしつつ、洗濯物をこなすというようなマルチタスクの家事もスムーズに行える。「開放感を求めて扉なしの間取りを希望しましたが、家事動線の面でもスムーズで気に入っています。住宅の断熱性能などのおかげで、冬も暖かくて快適です」とYさん。
「たくさんのビルダーを回ってきましたが、花田さんは最初にお会いしたときに、紙とペンを持って私たち家族と向かい合って座り、『どういうおうちを建てたいですか？』と聞いてくれたんです」とYさん。営業トークではなく、建主の要望に耳を傾けようというその姿勢、人柄に心を動かされたのが決め手になったと話す。
　緑豊かな別荘地のような立地は、以前住んでいた借家にほど近いエリアを歩いて見つけた広大な敷地の一部を知りあいづてに購入した。「上の子はもう小学校に入っていたので、生活圏や学区を変えずに理想的な土地を入手できたのは幸運でした」とAさん。土地の開墾からAさん自ら手がけ、知人らとともに伐採抜根を行ったので、愛着もひとしおだ。これから家族で庭づくりに取り組む予定だというAさん一家。「早く庭でバーベキューがしたいですね」と顔をほころばせた。