効率の良い家事動線を実現 時間を大切にした住まい

　秋田市郊外に佇むW邸は、森の中の一軒家のような切妻屋根が特徴的だ。1階は天井が高く、リビングは吹き抜けになっている。南方向に開かれた大きな窓からは、近くを流れる川の堤を望むことができる。「人が通らない場所なので、メインの居室となるリビングにも躊躇せず大きな窓を設けることができました。借景の緑もふんだんに見えるので、癒やされます」とWさん。
　長年アパート住まいだったというWさんは、いつか自分の家を持ちたいという気持ちが強かったという。結婚を機に家づくりを決意し、内覧会や展示場などをめぐって、気になったビルダー数社に実際に相談をした。「自分で考えた間取り図を持参して相談しました。こちらの要望どおりの図面を仕上げてくださるビルダーさんもいらしたんですが、積水ハウスさんはこちらの希望にプロの視点を加えて提案してくださったんです。単にこちらの希望どおりにするというだけでなく、キャッチボールをしながらよりよいプランを一緒に作り上げてくれる感じが信頼できました」とビルダー選びの経緯を振り返る。
　二人がとくにこだわったのは動線だった。病院勤務の二人は仕事が終わって帰宅してすぐに着替えをするのが習慣となっている。そのため、玄関横の土間収納からダイレクトに洗面所へ入れるようにした。「Tシャツや下着などは洗面所に置けるようにしました。洗濯も同じ洗面所内で洗って干して、乾いたらそのまま収納することができます」と妻のSさん。また、一般的に寝室の奥にあることが多いウォークインクローゼットを、寝室の入り口に設置。洗面所からウォークインクローゼットの距離を短くすることで、効率的な家事動線を確保した。
　キッチンに隣接したダイニングは、小上がりになった掘りごたつ式の畳敷き。「独立した和室は私たちのライフスタイルには不要でしたが、畳のスペースはやっぱりほしくて。小上がりの段差があることで縁に腰掛けることもできるし、このつくりには満足しています」とWさん。　
　2階にはサブリビングとしても使えるホールと、将来的には仕切って使うこともできる11畳の洋室がある。開放的な空間のなかで、勾配天井の低くなったエリアはちょっとしたこもり感のある、落ち着きを感じる空間になっている。ここには例えばベッドを置くなどすると有効に活用できそうだ。
　基本的な生活を1階で完結させることができるプランは、将来的にわたる安心感も見逃せないポイントだ。大切な二人の時間を慈しむ、スマートかつ安定感のある住まいができあがった。