一枚の絵画を見ているかのように 窓から庭の景色を眺める暮らし。

　リビングからは広々としたタイル張りのテラスと、手入れされた庭が広がっていた。施主のHさんは「毎日、大きな絵を眺めるような気持ちです。ここで生活するようになってから、庭いじりが日課になりました。朝早く起きて、草むしりや手入れをする。とても気持ちが良いです」と微笑む。
　リビングの大きな掃き出し窓はもちろん、その上にあるハイサイドライトからは太陽の光が差し込み、冬は暖かな光を、夏は柔らかな光を取り込んでくれるという。
　妻のRさんは「キッチンの天井を低くして、リビングと高低差を付けたことで空間にメリハリが出ました。上の窓から差し込む光のおかげで、季節を感じながら暮らすことができてすごく良かった」とうれしそうに語る。
　長男が小学校に入学する前に自分たちの家を建てたいという思いから家づくりをスタート。
　「マンションでワンフロアの生活に慣れていたので、平屋でも建てられる土地を探しました。施工については3社にプランを出してもらい、最終的には自分たちの家具との雰囲気もぴったりだった村上商店さんに決めました」とHさん。
　長男には障害があり、車椅子で生活をしている。そのため、玄関までのアプローチや、室内もすべてバリアフリー。愛犬もいるので、リビングのフローリングには硬く、傷がつきにくい秋田県産のナラを使用し、耐久性を高めた。一方、寝室は秋田杉を使用し、柔らかな足触りが安らぎのある空間となっている。
　「なるべく1階だけで生活できるよう設計していただきました。キッチンから全体を見渡せること、廊下やホールなどの無駄なスペースを作りたくなかったことなど、要望を叶えていただいて本当に良かった」とRさん。暮らしやすい動線の提案により、ゆったりとしながら無駄のない住まいを得たHさん一家。愛犬とともに、穏やかな生活を楽しんでいる。