WORKS JUU掲載の施工事例

CASE180 西方設計 / S邸

住宅の燃費を考えた 土間のあるパッシブハウス

 1階の南面にぐるりと土間を回したS邸。1階床面積約31帖に対して土間が7帖以上あるというから、いかに土間を重視した作りかがわかる。Sさんが「広い土間とスケルトン階段のある、燃費のいい家がほしい」と西方設計に依頼。南西向きの立地のなかで太陽光の恩恵を存分に受けられるよう、南面だけでなく西面にもガラス窓を設置した。これによって視線が2方向に抜けるため、延べ床面積こそコンパクトな住宅ながら、快適な開放感を感じさせる空間になるのが一つ。さらに太陽熱を利用した自然の力で家を暖かくする仕組みとしても機能する。
「自分の家を持つときに、長く住むのだから光熱費はもちろん、メンテナンスも含めてランニングコストが納得いくものであってほしいと思いました」とSさん。インターネットで西方設計の住宅づくりを知り、建築家・西方里見氏の自邸でもあるモデルハウス「Q1住宅能代」を見学したことで心は決まった。「建築コストを抑えるために、外壁と内壁は自分たちで塗装を行いました。内壁は実はまだ途中の部分もあるんですが、少しずつ自分たちで手をかけて家を作り上げていく工程も楽しい」とSさん。
 新居に暮らし始めてから朝、早起きするようになったというSさん夫妻。「庭の木に水やりをしたり、土間で鉢植えの手入れをしたり。一面が窓のような家で、緑の多い立地なのでよく外を見るようになりました」と暮らしを楽しんでいる様子が伝わってくる。

DATA
床材無垢(スギ)
内壁材紙クロス、ペンキ(水性塗料デュプロン)
屋根材ガルバリウム鋼板、屋根一体型太陽光パネル
外壁材木材(スギ)
Q値1.037W/㎡K
UA値0.32W/㎡K
C値0.26c㎡/c㎡
長期優良住宅
ZEH

●設計/有限会社西方設計 ●施工/有限会社池田建築店 ●竣工/2019/3 ●構造・工法/木造軸組工法 ●規模/2階建 ●敷地面積/186.32㎡(56.36坪) ●床面積/90.25㎡(27.30坪) 1階 52.58㎡(15.90坪) 2階 37.67㎡(11.39坪)

●暖房の種類╱エアコン(電気) ●給湯の種類╱エコキュート ●バス╱TOTO サザナ ●トイレ/1階 TOTO ネオレストAH 2階 TOTO ピュアレストQR ●キッチン╱
TOTO ザ・クラッソ ●調理器具╱IH ●窓仕様(主なもの)╱樹脂サッシ Low-Eトリプルガラス ●断熱材╱グラスウール、EPS(ビースポリスチレン) ●換気システム╱第1種換気 ●太陽光発電設備╱7.67kW

建築総工費 / 2,000万円台
坪単価 / 75~80万円
太陽光発電設備費用 / 200万円