ダイナミックな吹き抜けのリビングと オリジナリティあるプランを実現

　リビングの広々とした吹き抜けを見上げると、高さのあるスリット窓がぐるりと空間を囲んでいる。26帖以上あるLDKの大空間がなんとも贅沢な印象のT邸である。Tさん夫妻が家づくりを始めたのは、Tさんのイタリア留学から帰国後間もなくのことだった。「それまで転勤は10箇所近く経験してきてようやく落ち着けるタイミングでしたから」とTさん。希望する立地条件の土地を見つけ、三光不動産の建築条件付だったことから、プランニングの相談がスタートした。
　県外の都市部で育ったTさんにとって、広く明るい開放感のある住宅はかねてからの希望だったそうだ。冬が厳しい東北地方では避けられがちなダイナミックな吹き抜けのリビングだが、ひと冬を越えての印象は「床暖房とガスファンコンベクターを使ってみたら寒さを感じることはまったくなかったです。断熱がしっかりしていたというせいもあるでしょうね」とTさん。
　旅が趣味だという二人だけに、Tさんの留学中はヨーロッパを旅して回った。そのとき印象的だったのが、戸外で飲食を楽しんでいる様子だった。「寒い冬でも外でコーヒーを飲んだりして、戸外の暮らしも一緒に楽しんでいて、私たちも家を建てたらそういう空間を持ちたいとイメージを持ちました」と妻のKさん。季節の良い時期には、朝食やお茶を2階のバルコニーでとったり、1階のウッドデッキでもう一つの共通の趣味である晩酌を楽しんだりと、ダイニング以外にも2箇所自分たちが心地よく飲食できるスペースを確保するなど、既成概念にとらわれないオリジナリティのあるプランが実現している。