3世代6人家族で暮らす 間取りにこだわったZEH

　H邸は3世代6人家族。建て替えでの家づくりだが、元々は延床面積70坪の家に母のKさんが一人で住んでいたという。Hさん家族は近くの貸家を借りていたが、「広い家に義母が一人で暮らしていて心配でしたし、年数が経っていたこともあって維持も大変でした。私たちが借りていた家も、古かったこともあって寒くて、この際建て替えて同居しようとなったんです」と妻のYさん。建て替えが決まってすぐに石井建築設計事務所に依頼した。
　施主のHさんと石井建築設計事務所の石井代表は、元々仕事仲間。石井建築設計事務所の左官工事をHさんが請け負ってきたという。「いろんな現場を見てきた中で、石井さんの家づくりも見ていて、家づくりに対する考え方や丁寧な施工、建てるなら石井さんにお願いしようと決めていた（Hさん）」そうだ。
　家づくりでは間取りと収納を重視。「石井さんの建てる家だったら高性能、ZEHは当たり前だと思っていたので、寒くない、暑くないなんてことは考えることもなく、とにかく暮らし方だけでしたね」とHさん。家族が多いこともあって、リビングは広めに、同居しても気楽なようにとKさんの部屋には水回りを完備、貸家では子どもたちに個室がなかったそうで、それぞれに十分な個室を。さらに、共同で施主になった長男のSさんの部屋には、将来結婚しても同居できるようにとリビングスペースも設えた。そして、「元々の家には収納がなくて不便だった（Yさん）」ことからと十分な収納を備え、「家具もできるだけ置きたくない」と造作した。
　暮らしはじめて一冬を越したが、家の暖かさには驚きのようで、1階の床下の輻射暖房だけで家じゅうが暖かく、念のために設置したエアコンの出番はなかったそうだ。Kさんも「家族みんなでの暮らしは楽しいし、何より安心」と満足げ。Yさんは、広いリビングでみんなの顔を見ながらの家事が楽しいそうだが、「はじめて個室ができたからか、息子たちがすぐ部屋に行っちゃって」と笑った。