仕上材を使い分けて 空間に変化をもたらす

　果樹園の一角を分譲地にしたような豊かな緑に囲まれた場所に、シルバーのガルバリウムの外観が映えるA邸。1階はほとんど仕切りのないワンルームで、リビング、ダイニング、キッチン、和室までが一目で見渡せる。無垢のパイン材は足触りも柔らかく、寒い季節も冷たさを感じにくい。妻のSさんは「子どもと床で遊ぶときは特に良さを実感します」と話す。仕切りのない1階はダイニングの天井にはシナベニヤを張ったり、床材を使い分けることで柔らかく用途を区切っている。脱衣所やトイレから独立した洗面所は、スムーズな動線により朝の慌ただしさをぐっと軽減している。
　ミノル建築は由利本荘市に本社を置くビルダー。横手市在住のAさんが同社に依頼したきっかけを尋ねたところ「『JUU』の1号目を見て、すてきな住宅をリーズナブルに建てているミノル建築さんにお願いしたいと思ったんです」という。「お会いしてみたら設計の工藤さんは、技術も人柄も信頼できると感じました。ここなら大切な家づくりをおまかせできるし、長くおつきあいしていけると思ったのが決め手でしたね」と語る。Sさんも「本社と建設予定地が離れていたため、ほぼ現場での打ち合わせでした。図面ではわからなかったところは現場で提案をしていただいたり、変更していただいたり……。こんなにわがままいっぱいの家づくりでも、嫌な顔一つせず、工藤さんも大工さんたちも親身に関わってくださいました。本当にミノル建築さんで家づくりができてよかったと思っています」と満足げに語った。