ライフスタイルに寄り添った目線が合うキッチンのある家
エントランスから望む坪庭の佇まいが印象的なK邸。住みはじめて3年、この家での暮らしがすっかりなじんだ今でも、折々に「いい家だなぁ」と家族で言い合うのだという。
家を建てるなら地元の業者でと探していたKさんは昔からつきあいのある製材所の鈴喜代が住宅部門を始めたと聞き、訪ねていった。土地や方位や家族のかたちに合わせた家づくりを心がけている鈴喜代は入念な打ち合わせをする。Kさんにはそれが好印象だったという。「納得がいく家づくりをしたかったから、信頼できる会社だな、と思いました(Kさん)」。
特徴的なのは対面キッチンの掘り込み。「膝を折って座るのが我が家の習慣だったので、ダイニングテーブルは必要がないとお話ししました」というKさんに、設計担当の鈴木さんが提案したのがこの掘り込み型のキッチンだった。リビングダイニングの床レベルから60センチ分掘り込むことで、目線が下がるので座っている家族と目線が合う。天井の高さもよりいっそう感じられるうえ、作業台の高さは変わらないので、作業性にも影響しない。
間取りで工夫が見られるのが子ども部屋。K家には長男の瑶太郎くん(11歳)を筆頭に、芯平くん(9歳)、栞夏ちゃん(6歳)の3人の子どもがいる。3人分の個室をつくるのはいささか大げさに思えるが、成長に伴い、一定のプライバシーは必要になる。悩んだKさんに、鈴木さんの提案は一つのフリーホールを兄妹3人で共有とし、造作二段ベッドの脇にそれぞれ勉強机が置けるスペースを確保するプラン。それなら3つのスペースができて、成長に合わせて空間を柔軟に使うことが可能な工夫がなされている。「こういうこともできるんだ! と目からウロコでしたね」とKさん。
こうしてできあがったのは、プライベートと共有スペースのバランスの良い、居心地のいい家だった。「Kさん家族の仲の良さが家のかたちに現れたのだと思います」と鈴木さんもにこやかに語る。
DATA
床材 | 無垢パインフロア 磁器質タイル(キッチン、水回り) |
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壁材 | クロス |
窓仕様 | 樹脂サッシLow-Eペアガラス |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
外壁材 | 窯業系サイディング |
Q値 | 1.35W/㎡K |
設計・施工 / 株式会社鈴喜代 | 竣工 / 2011/10
構造・工法・規模 / 木造・金物工法・2階建 | 敷地面積 / 330.78㎡(約100坪) | 床面積 / 153.89㎡(約47坪) / 1階 81.40㎡(約25坪) / 2階 45.78㎡(約14坪) / ガレージ 26.80㎡(約8坪)
暖房設備 / パネルヒーター | 給湯設備 / エコキュート | バス / LIXIL ラ・バス | トイレ / Panasonic アラウーノ / LIXIL ストール型 | キッチン / LIXIL サンヴァリエ | 調理設備 / IH
建築総工費 / 2,500万円台
坪単価 / 50~55万円