築百年の歴史に新たな一歩を 家族が喜ぶ、寒さ知らずの住まい

　築年数約100年を越えると思われる住まいの建て替えにあたり、Sさん夫妻が選んだのは、自然素材を使った健康住宅を手がける村岡組デザインだった。「最初は建て替える気もなかったんですが、冬になると毎年水回りの凍結で困るぐらい、室内も寒かったんです。近くに住む息子夫婦が村岡組デザインさんを見つけてくれて、家づくりがスタートしました」とSさん。
　以前の住まいは昔ながらのつくり。広くて夫婦二人では持て余すほどだった。そうなると冬期の雪下ろしも大変な作業となる。「だから最初に、広くなくていいから雪下ろしが必要ない住まいを、とお願いしました。収納もたっぷりほしいということはリクエストしましたね」と妻のIさん。一方で長年暮らした前の住まいで使い勝手が良いと感じていた要素は残した。二間続きの和室、男女別のトイレ、勝手口の動線などである。こうしてできあがった住まいは、LDKを中心とした、約32坪の平屋だった。「2階建てからの減築は階段の上り下りもなくて楽です。何かを取りに行くのにも動線が良いのでスムーズ。非常に使いやすいですね」とIさんは笑顔を見せる。間取りは大きく変更となったものの、元の住居にあった要素を汲み取り、住宅設備は現代の機能性を持たせることで、暮らしやすさがいっそう向上しているのをSさん夫妻は住みながら実感しているという。
「この住まいは冬にいっそう真価を発揮してくれています」とSさん。暖かさなど温熱環境の快適性はもちろん、雪下ろしの負担からも解放された。「夜、トイレに起きても寝室とトイレの距離も近いし、廊下もトイレも寒くない。冬の暮らしを安全に過ごせる住まいを手に入れることができて、村岡組さんにお願いしてよかったと思っています」と話すIさん。「息子夫婦や孫たちも遊びに来ては『いい家だなぁ』と言っています。思い切って建て替えて本当によかった」とSさん夫妻は柔らかく微笑むのだった。