裏動線の計画で家はもっと使いやすくなる

　施主のMさんの妻Tさんとミノル建築の設計士・工藤さんが幼馴なじみだった縁でスタートした家づくり。リビングには音楽が好きだというMさん自慢のレコードやDJミキサーのために造作収納スペースがある。「友人と音楽を聴いたりするのが好きで」とMさん。「今は子どもが小さいので少し音楽から離れていますが、自分の家ができて、子どもと家でゆっくり過ごすことが増えました」と語る姿は幸せそのものだ。
　妻のTさんが重要視したのが、裏動線の確保だった。「この辺りの昔ながらの家では、ウラといって勝手口に流しが設置してあるケースも多いものです。ご近所から野菜をいただいたり、ゴミなどのお客様に見せたくないようなものを置いておける場所があると、何かと便利なんです」と工藤さん。さらに小さな子どもがいるM邸では、外遊びで衣服が汚れたときにも勝手口から出入りし、居住スペースを通らずに直接バスルームに行けることも大きなメリットになっている。
　Tさんは「設計の工藤さんとは旧知の仲なので、多くは語らずともこちらの要望がスムーズに伝わり、家づくりもとてもスムーズでした。」と家づくりを振り返る。共働きのM邸では、家事動線のゆとりがそのまま心のゆとりにつながる。「『とにかく家事がラクな家がいい』という私のリクエストもバッチリ叶えてもらいました」とTさんも満足そうな笑顔で語った。