ライフステージの変化によりそう ぬくもりあふれる木の住まい

　海にほど近い、閑静な住宅街にたたずむI邸。吹き抜けになったリビングのコーナー窓や、和室の地窓からは隣に住むIさんの祖父が丹精込めて手入れする庭と畑の借景が、四季折々の豊かな表情を見せる。
　妊娠を機に本格的に家づくりをスタートさせたIさん夫妻。「先輩がすずきよの家で家を建てていて、お宅に伺ったら無垢の床や温熱環境の快適さがすっかり気に入ってしまったんです」とIさん。妻のTさんも「地元のビルダーさんに任せられるのは安心がありました」と家づくりを振り返る。
　Iさん夫妻が家づくりにおいて重視したのは「帰ってきたくなるような、ぬくもりあふれる住まい」というテーマだった。二人にとって新居は子育ての大切な拠点。キッチンからフロア全体が見渡せることや、ライフステージの変化に対応できる柔軟性の高い間取りなど、子育てをしやすくする工夫はもちろんのこと、「家族が帰ってきてほっとする住まいにしたかったんです」とTさん。「木や自然素材をふんだんに使った我が家に帰るとほっとする。家を建ててよかったと実感します」とIさん夫妻は柔らかく微笑んだ。
　海が近いことから潮で車が傷まないように2台分のインナーガレージを希望していたIさん。ガレージ前の間口にコンクリートを打ったことで、バーベキューや子どもの外遊びにもぴったりな
多目的な外部空間が生まれている。その分、LDKの南側に設置したウッドデッキは縁側程度のサイズに抑えた。隣地に住む祖父母にとってひ孫である長女の顔がいつでも見られるのはきっと暮らしの張り合いになるはずだ。
「この家は明るくて気持ちがいいんです。イメージしていた通りか、それ以上に」と語るIさん夫妻の幸せそうな様子に、住まいと暮らしののびやかな関係が見えるような気がする。