変形土地を活かした間取りで　 バリアフリーに配慮した3世代住宅

　個性的な外観が道行く人のパッと目を引くK邸。「ありきたりの家では、せっかくの注文住宅なのにおもしろくない。注文住宅だからこそ自分たちがワクワクするような家をつくりたかった」と話すKさん。子どもの小学校入学をきっかけに、いずれは生まれ育った地区に家を建てたいと考えていた。そして母親との同居も視野に入れて3世代で暮らそうと家づくりを考え始めたとき、同級生のビルダーのことが思い浮かんだという。生まれ育った地元で土地探しを始め、この場所を提案された際、「くの字型の土地を有効活用したらおもしろい家ができるかもしれないとピンと来た」とKさんは話す。
　Kさんが重視したのはバリアフリーであること。新居に引っ越しをきっかけに、ひざが悪い母親と一緒に住むことになったため、玄関をはじめ、お風呂も洗面もトイレも車いすでも対応できるような広い引き戸にした。「将来介護が必要になるかもしれない。また、母親の姿は私たちの将来の姿でもあるんですよ」と妻のMさんは話す。料理が得意な母親と一緒にキッチンに立てるように、キッチンも広めの作りにした。
　また、パントリーやシュークローゼットの収納も特徴的だ。妻のMさんは、見えない部分にこそカラフルなクロスを提案した。「シュークローゼットは、これから出かける準備をする最後の部分。出かける気分を高めてくれる場所だからこそ見えない部分に見せたくなるようなデザインと取り入れた」と話す。「新しい家はもちろん使い勝手抜群です。個性的な外観だけでなく、インテリアや内装ひとつひとつから自分たちの個性が見える空間づくりをイメージしました。疲れを癒すだけではなく、自分たちが住まいからパワーをもらえるような場所にしていきたい」と妻のMさん。3世代が新しい歴史を刻む住まいは、優しさとワクワクが詰まった空間になっている。