WORKS JUU掲載の施工事例

CASE323 リリーアーキテクツ / Y邸

ゆったりとした大屋根の下 土間デッキで外とつながる

吹き抜けになったLDKの大空間に、現しの梁がダイナミックな印象のY邸。
1階の一面全部が窓になった大胆な開口部の外にある土間デッキが外部と内部を印象的につないでいる。
内外まで垂木が続いているように見える大屋根が、この土間デッキにゆったりと軒をかけている。
 角地ながら南側と東側に隣家がある住宅街の一角。
Y邸の設計はこの立地条件をいかにクリアするかが一つのポイントになった。
リリーアーキテクツ代表の高橋理徳子さんは道路に面した北西側に大きく開口部をとるプランを提案。
土間デッキで外部に開きながら、深く落とし込んだ軒で視線と西日を適度にさえぎることにした。
 このように大きく外に開く思いきったデザインに振り切るきっかけとなったのが、
妻のOさんの次の一言だった、と高橋さんは振り返る。
「打ち合わせのとき、Oさんが『私、家の中が見えてもいいから気持ちのいい空間で暮らしたいです』と
おっしゃったんです」。
「新しい住まいができるということは本来地域にとってとても喜ばしいこと」というのが持論の高橋さん。
住宅を手がける際は、そうした喜びをまちにお裾分けする感覚で住まいをまちにひらく設計を心がけているという。
「Yさんご夫妻がその点を深くご理解くださったこととご夫妻のお人柄でこのデザインが生み出せました」と話す。
こうして生まれた土間デッキは家族の憩いの場として活用されるほか、
近所の人とのコミュニケーションの場にもなっている。
 高橋さんのデザイン力・設計力に惹かれたというYさん夫妻。「私たちの要望は縁側があって、
吹き抜けがある家がいいなということでした。あとは高橋さんのデザインを信頼していたので」とYさん。
家族みんなが家事に参加しやすいアイランドキッチンのほか、通常はバックヤードに入りがちなランドリールームを
家族が集まるLDKの延長にレイアウトするなど、定石にとらわれない新しい提案も積極的に取り入れた。
「暮らしやすくて気持ちのいい住まいで、家族も満足しています。
子どもたちもこれまで以上にのびのび家中を走り回っていますよ」と
Yさん夫妻は明るい笑顔を見せるのだった。

DATA
床材無垢フローリング無塗装
(西南ザクラ)、
モルタル(セニベトン)
内壁材木材
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材木質系サイディング、
吹付(リシン)

設計 / 一級建築士事務所リリーアーキテクツ株式会社 | 施工 / 株式会社すずきハウスプラン | 竣工 / 2021/3 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 235.15㎡(71.03坪)|床面積 / 106.26㎡(39.25坪)/ 1 階 59.62㎡(18.00坪)2階 46.64㎡(14.14坪)デッキ 23.55㎡(7.11坪)

暖房設備 / エアコン(電気)、床暖房(電気)| 給湯設備 / エコジョーズ(ガス)| バス / /TOTO サザナ | トイレ / 1階 TOTO ネオレストDHタイプ、2 階 TOTO ピュアレストEX | キッチン / TOTO ザ・クラッソ | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / グラスウール | 換気システム / 第3種換気

建築総工費 / 3,100万円台
坪単価 / 75〜80万円