WORKS JUU掲載の施工事例

CASE315 池田建築店 / H邸

階間エアコンで叶える、木質感豊かで ストレスフリーな温熱環境の住まい

「冬寒くない、木の家」。これがHさん夫妻が住まいに求めた条件だった。
「エアコンの風も苦手だったので、当初は1台で冷暖房が可能なパネル冷暖房システムの導入を検討していました」とHさん。
パネル冷暖房のメーカーから秋田県内の取引業社を紹介してもらったのが、Hさんが池田建築店に出会うきっかけとなった。
 最終的にはパネル冷暖房は採用を見送った。冷房時の結露を防ぐための配置の制約の多さがネックになったからだ。
代わりに採用したのが1階と2階の間にエアコンを1台入れて全館冷暖房を実現する「階間エアコン」だった。
2階床と1階天井の間にエアコンの風を流し込む空調方式で、ブースターファンで上下階に送風する仕組みである。
「H邸は隣家が近い区画のため、開放感と日射取得のためにリビングを2階にレイアウトしています。
そうなると1階に床下エアコンを設置するよりも効率がいいのがこの階間エアコンだったんです」と池田建築店の池田さんは話す。
階間エアコンの県内導入事例も少なかったため、一時は悩んだというが、池田さんの説明を聞いて納得。採用に踏み切った。
 階間エアコンを入れた分、2階のうち子ども室となる洋室とバスルームはリビング、
キッチンに比べると床が600ミリほど高くなっている。この床レベルの差と、現しにした天井の高さが相まって、
主たる生活スペースである2階の空間全体にリズムが生まれている。キッチンはL字にレイアウト。
造作のパントリーとリビング収納の周囲を回遊できる上、その上はロフトとして活用することも可能だ。
この回遊動線を最も活用しているのは子どもたちだとHさん。「家じゅうをのびのび走り回っている様子を見ると、
家を建ててよかったなと思います」と目を細める。
 天井を現しにして、木を張ったことで、念願でもあった木の風合いを存分に感じられる空間に仕上がった。
「池田建築店さんでなかったら私たちの希望は叶えられなかったと思います」とHさん夫妻は満足げな表情を浮かべた。

DATA
床材無垢(秋田杉)
内壁材塗り壁(珪藻土)
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材木材(秋田杉・自然塗料)、
窯業系サイディング

設計・施工 / 有限会社池田建築店 | 竣工 / 2022/4 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 167.96㎡(50.80坪)| 床面積 / 173.90㎡(52.60坪)/ 1階 52.17㎡(15.78坪)2階 86.95㎡(26.30坪)インナーガレージ 34.78㎡(10.52坪) 

暖房設備 / エアコン(電気)| 給湯設備 / エコジョーズ(ガス)| バス / Panasonic オフローラ | トイレ / 1階 TOTO GG | キッチン / Panasonic L-class | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eトリプルガラス | 断熱材 / グラスウール | 換気システム / 第1 種
換気 | 長期優良住宅 | 耐震等級3 | Q値 / 0.81W/㎡K | UA 値 / 0.26W/㎡K | C値 / 0.3 ㎠/㎡

建築総工費 / 3,100万円台
坪単価 / 55~60万円