WORKS JUU掲載の施工事例

CASE259 ミノル建築/ Y邸

多様な過ごし方を受け止める 自由な空間が、住まいを豊かに

 デッキに隣接したリビングとダイニングの窓から明るい光が差し込む室内。「ソファもダイニングセットも置かない」のも「目に付くところにもの
は置かない」のも、Y邸のルールだ。掘り込み式のダイニングには、造作テーブルを設置。造作テーブルは片側が床座、もう片側が椅子座になる。家具などで占有されるスペースが少ない分、住む人・訪れた人がこの広々とした空間で、思い思いの過ごし方ができる住まいになっているのが印
象的だ。
 かつてこの場所に建っていたのは、妻のAさんの実家の車庫。Yさん一家はその上階をリフォームし、住まいとしていた。躯体の老朽化と寒さに加え、「年を重ねても1日何度も階段の上り下りができるのか」と先々のことを考えたとき、車庫ごと新築する現在のプランが生まれた。平屋を採用したのもそうした家づくりの発端があったからだった。
 特徴的なのは、廊下に当たる部分にファミリークローゼットを置いた点である。「夜勤もあるので、生活動線は入念にシミュレーションしました。ファミリークローゼットがあれば、出かける準備をする物音で家族が目を覚ますことも減ると思って」とAさん。寝室を出てファミリークローゼットと洗面室で身支度を済ませたら、車庫に通じる出入り口から出勤する。
 この配置は家事動線の面でもメリットが多い。入浴時や帰宅時に汚れた衣服は洗濯機へ。洗い終わった洗濯物はサンルームで干したあと、そのままファミリークローゼットにかけかえればいい。
 隣接するAさんの実家とは、廊下のドアを通じてつながっている。両親が仕事から帰るまでの間、長女は隣の祖父母の家で過ごして、このドアを通じて「ただいま」と帰宅する。
「私たちはもちろん、隣に住む両親も『冬は暖かくて夏暑いときは涼しいね』と言い合っています。何より動線のおかげで生活がとってもしやすいです」とAさん。Yさんも「他にもビルダーを回りましたが、地元ビルダーのミノル建築さんとはまめにやりとりができたおかげで、スムーズに家づくりが進んだ。安心しておまかせできると太鼓判を押せますよ」と笑顔を見せるのだった。

DATA
床材複合(合板)フローリング、
クッションフロア
内壁材ビニールクロス
屋根材陶器瓦
外壁材窯業系サイディング

設計・施工 / 有限会社ミノル建築| 2020/12|構造・工法・規模 / 木造軸組工法・1階建 | 敷地面積 / 1,033.14㎡(311.90坪) |床面積 / 150.50㎡(45.43坪)/ 1階 115.93㎡(35.00坪)インナーガレージ 34.57㎡(10.43坪)デッキ 8.28㎡( 2.5坪)

暖房設備 / ヒートポンプエアコン(電気)| 給湯設備 / エコキュート(電気) | バス / TOTO サザナ | トイレ / TOTO GG - J2 | キッチン / タカラスタンダード オフェリア | 調理設備 / I H | 窓仕様/ 樹脂サッシLow-E ペアガラス | 断熱材 /吹付ウレタン| 換気システム / 第1種換気

建築総工費 / 2,300万円台
坪単価 / 50~55万円