WORKS JUU掲載の施工事例

CASE246 西方設計 / K邸

大きな窓から眺める庭 意匠と性能を両立した平屋

 リビングダイニングの大窓から望む庭の景色が圧巻のK邸。庭は親の代から引き継いだものだという。平屋切妻屋根の形状をそのまま持ち込んだ室内は天井が高く、大窓からの横への広がりと天井勾配による開放感は、この土地と建物がなせる業と思わせる。
 Kさんの家づくりが始まったのは13年も前。友人だった西方設計代表の西方里見さんに相談した。「西方さんが高性能な住宅建築をしていたのは知っていたので、建てるなら西方さんにお願いしようと思っていた」とKさん。当時はご存命だった親が住む建物を建て替えることも考えたが、その間の住まいの問題もあって一旦見合わせることになったという。
 再度動き始めたきっかけはKさんが自宅の階段から転落して骨折したことだったそうだ。そのため、平屋での家づくりを考えて、西方設計のモデルハウスを見学。大きな窓を設えながら、冬は暖かく、夏は涼しい住宅性能を体感し、「これからの暮らしはこんな家で。よし、家を建てよう」と決心したという。
 「家づくりでこだわったのはキッチンでした」とKさん。料理が好きで、釣
った魚をさばくこともあったそう。アイランド型のシンクはダブルに、ガスコンロも火力の強い業務用、大量の調理器具を収納でき、自分が料理しやすいキッチン(厨房)を自らスケッチ。すべて特注で造作した。料理を振る舞うことも好きで、ダイニングには8人掛けのテーブルを。お客様を招いて、料理を振る舞いながら趣味のサッカー観戦をしたりするそうだ。
 Kさんは普段、この家に一人で暮らしている。妻のSさんが、那須高原で旅館を経営しているためだ。「帰って来ると、この家の快適さを感じます。性能も窓からの眺めも気持ちがいい。室内も開放的で、階段から落ちる心配もない。そして収納。細かくどこに何をしまうのかを伝えて設計してもらい、家族の一員である猫の部屋もつくったことで、家が散らからないんです」とKさん。これからも拠点が分かれる生活が続くそうだが、人生を楽しむ夫婦ならではの暮らしを受け止める平屋だ。

DATA
床材無垢(クリ)
内壁材和紙クロス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材スギ(赤なまはげ)
Q 値1.14W/㎡K
UA値0.28W/㎡K
C 値0.3c㎡/㎡

設計 / 有限会社西方設計 | 施工 / 熊谷建設株式会社 | 竣工 / 2020/2
構造・工法・規模 / 木造軸組工法(在来工法)・1階建 | 敷地面積 / 1089.19㎡(329.47坪)|床面積 / 170.85㎡(51.68坪)/ 1階 152.78㎡(46,21坪)

暖房設備 / エアコン(電気)、床下エアコン | 給湯設備 / エコキュート(電気) | バス / TOTO サザナ | トイレ / TOTO ピュアレストQR | キッチン / 造作キッチン | 調理設備 / I H、ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eトリプルガラス、造作FIX | 断熱材 / グラスウール、EPS(ビースポリスチレン) | 換気システム / 第1種換気

建築総工費 / 4,200万円台(税別)
坪単価 / 75~80万円(税別)