WORKS JUU掲載の施工事例

CASE224 アベ建 / O邸

〝おばあちゃんファースト〞の住まいは 家族みんなに優しい家

 ヒノキの大黒柱を中心に居間、ダイニングと対面になったキッチン、2間続きの和室という昔ながらの住居の間取りを踏襲したO邸。Oさんが家を建てることになったのは、道路拡幅工事に伴い、嫁ぎ先の築30年ほどの住まいの建て替えを余儀なくされたからだった。「夫が亡くなって間もない頃で、一人で家づくりをする責任を背負うのは正直怖かったです。でも義母もいるし、成人してそれぞれ独立した子どもたち3人の
実家だから、私がきちんとした大工さんを探してこなきゃと思って」と話すOさん。いくつかの内覧会に足を運び、ビルダー選びを進めていたとき、友人の新築祝いで訪れた先がアベ建が手がけた住まいだった。「ちゃんと大黒柱にも触れるし、木ってこんなに良かったんだなということを再認識させてくれるようなおうちだったんです。義母のことを思ったら、新築したときに急に住環境が変わるのもどうかしらと心配だったので、この家を建てた人にだったら新しい我が家をお願いできそう、と思ったんです」とOさんは家づくりを振り返る。
 新居のテーマは〝おばあちゃんファースト〞の住まいだったというOさん。「前の住まいは寝室とトイレが遠かったし、家が寒くて段差も多かったんです。義母は寒がりなので、電気毛布が手放せない状態でした。新しく家を建てるなら、トイレと寝室はできるだけ近く、1階で生活が完結するようにという要望は最初にお願いしましたね」と話す。「義母のため、義母のためと言っていましたが、あと10年すれば私も70代になります。義母のための家づくりは結局回り回って私のため、私の家族のためにもなるんだって家づくりをしながら気づいたんです」と穏やかな表情を浮かべる。
 普段は3人暮らしのO邸だが、同じ市内に嫁いだ長女の里帰り出産や孫の遊び場として和室の続き間は大活躍だし、2階の1室は県外に出ている長男が帰省したときは2階の洋室で休める。「どの部屋も無駄なお部屋のない、みんなの家なんです」と話すOさん。「元気なうちに建て替えができてよかったです。毎日木の温もりと香り、手触りに癒されています。」と目を細めた。

DATA
床材無垢(カバさくら)
内壁材塗り壁(ケンコート)、木材(ヒノキ)
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材ガルバリウム鋼板、タイル
Q値1.5W/㎡K

●設計・施工/有限会社アベ建 ●竣工/2014/11 ●構造・工法/木造軸組工法(在来工法) ●規模/2階建 ●敷地面積/455.69㎡(137.846坪) ●床面積(総)/230.59㎡(69.76坪) 1階 173.31㎡(52.43坪) 2階 57.28㎡(17.33坪) インナーガレージ 36.56㎡(11.06坪)

●暖房の種類/ヒートポンプエアコン(電気) ●給湯の種類/エコキュート(電気) ●バス/タカラ ルーノ ●トイレ/1階 LIXIL サティス、2階 LIXIL アメージュZ ●キッチン/タカラ エーデル ●調理器具/ガス ●窓仕様(主なもの)/樹脂サッシLow-Eペアガラス ●断熱材/吹付ウレタン ●換気システム/第3種換気

建築総工費 / 4,200万円台
坪単価 / 60~65万円