古いものをあえて使いつつ 暖かくて、気持ちのいい家をつくりたい

　北側道路に面したM 邸。以前からこの土地に住まいを構えていた夫妻は、しばらく前からリフォームを検討していた。「家のデザインには満足していたのですが、北向きだからかどうしても寒くて……」と妻のMさん。そこで木製サッシやドアなど、愛着のあるパーツを再利用して、暖かい住まいをつくれないか。そう考えたMさんが門戸を叩いたのが、村上商店だった。「結局事情もあり、建て替えることになって。そのとき、村上商店さんの大町のモデルハウスを見て、白い壁が印象的で、木の使い方が気に入ったんですよね」とMさん。モデルハウスを訪れたMさんは、代表の村上さんに思いを伝えた。「そのとき村上さんが『きっといい家になりますよ』と言ってくださったんです。そのときに『ああ、この人にお願いしよう』と心が決まりました」と家づくりを振り返る。
　ガレージの奥から3段上がると玄関がある。重厚感のある木製ドアは、前の住まいで使っていたもので、自分でオイルを塗った愛着のある建具だ。室内に足を踏み入れると、Mさんの趣味である観葉植物や生花が、自然光のもと、輝く風景が見える。よくみると4枚の窓が1枚に組み合わされている。「これも前の住まいの窓を再利用しています」とMさん。
　2階がメインの居室となるLDKである。大きな窓のおかげで室内は明るく、この窓が北向きであるということを忘れてしまいそうだ。
　Mさんは「うちは三方を住宅に囲まれた密集地。自分たちの車1台に来客用として+1台分の駐車スペースを確保すると趣味の庭を小さくしなければなりませんでした。唯一建物が建っていない北向きに開いて、2階のバルコニーをガーデンリビングにするという村上さんの提案はとてもうれしかった」と話す。リビングやキッチン、ロフトへ上がる階段など、2階はこのバルコニーの景色を存分に楽しめる配置になっているのは、そうした配慮からだったと得心がいく。
　肝心の冬の寒さは、と尋ねるとMさんは「本当に暖かくて、快適です。前の住まいで使っていたパネルヒーターも再利用してくださってうれしかったですし、建て替えを機に私の念願だったペレットストーブも導入。冬が苦じゃなくなりました」と明るい笑顔で語るのだった。