子どもを育てるための家づくり 台所と水回りの動線を重視して

　直線的なデザインと色使いがモダンな雰囲気を醸し出すT邸。Tさんの職業は大工で、勤務先はサンコーホームだ。「以前は一軒家の借家住まいでした。自分の家で子育てをしたいという気持ちが強くなり、家づくりを決意しました」と、きっかけを教えてくれた。妻のKさんは「さまざまな土地情報を夫の会社から提供してもらったなかに、ここの情報をいただきました。息子は電車が大好きなので、電車が見えるこの場所を見て即決しました」と話す。キッチンからはリビングとダイニング、そして和室が一望できる。また、1階には通り抜けが可能なファミリークローゼットを設けている。「洗面、お風呂、脱衣所もすぐ近くで効率が良いんです。朝の支度が格段に楽になりました」とKさん。子育てを中心とした家事負担を楽にする動線に満足気だ。
　玄関ホールの大きな引き戸を開けると、シューズクロークの脇に家族用の手洗い場がある。「ここなら下が土間なので、多少床が濡れても気になりません。子どもたちがまず手を洗ってから室内に入れるのがいいですね」とKさん。また、玄関からリビングへ直接向かう動線のほかに、ファミリークローゼットを通り抜け可能にすることで、キッチンへ入る動線も確保した。また、階段の両側に出入り口を設ける工夫も施した。「こうすることで、行きたいところへすぐ行ける。妻も使ってみると使いやすいと言ってくれました」とTさん。
　2階には子ども部屋と主寝室のほかに、フリースペースがあり、将来的には壁で仕切れば独立した部屋にすることも可能だ。
　Tさんは「自分たちが暮らしやすいように考えた家です。すぐ近くに線路が走っていても、トリプルサッシや断熱材など住宅性能のおかげなのか、音はほとんど気にならないですね。電車好きの息子は大喜びだし、むしろ一石二鳥。いいことだらけで、もっと早く建てれば良かった」と笑顔を見せた。