子どもの安全を考えつつ、暮らしやすさも大切にした家

　妻のHさんは以前から家づくりに興味があり、自分が気になったデザインやインテリアなどの切り抜きをスクラップブックとしてまとめていた。「ミノル建築の工藤さんにそのスクラップブックを見ていただきました。ビルダー任せではなくて、自分たちの希望を取り入れた自由度の高い家づくりがしたかった。私のスクラップブックやスケッチに共感してくれた工藤さんとなら、本当に納得のいく家づくりができそうだと思いました。それに、できれば家事や育児の経験がある方に設計をお願いしたいなと思っていたので、工藤さんはその点でもぴったりでした」とビルダー選びの経緯を語るHさん。ほんの少しカントリーテイストを取り入れた、落ち着いた雰囲気で空間を仕上げた。階段下スペースは長男の遊び場に。「ここならちょっとぐらい散らかっていても許せます（笑）。秘密基地みたいと子どもも喜んでいます」とHさんは微笑む。
　玄関のシューズクロークは、Hさんからの要望のひとつ。来客用と家族用に分けることで、玄関がスッキリ使える。階段の途中には、造作の机を設置したフリースペースがあり、キッチンからも様子が見えるよう造られている。また、2階の子ども部屋の前には、採光のための小窓が設置されているが、窓のサイズを小さくし、位置を高くすることで誤って落ちないようにも配慮がなされている。「ドラム式の洗濯機に子どもが入ってしまった事故のニュースも耳にしたので、洗濯機を置くスペースに鍵が掛けられるようにしていただきました。子ども部屋の窓の高さなども、安全面にはできるだけ気を配りたくて」とTさん。安心して子育てができるような機能を重視しつつ、自分たちの好きな雰囲気で過ごせるよう、デザイン・設計されているT邸。「細かく自分たちのほしい機能が取り入れられていて感動しました。楽しい家づくりができたと思います」と、Hさんは満足そうだ。