コンペ形式で理想を実現 60代からはじめる家づくり

　自身の退職の時期を見据えて家づくりをスター トしたMさん。実家を建て替える計画だった。 30年以上県外在住で、退職を機にUターンすると決意し、職場のある東京と実家のある秋田の行き来をしながらの家づくりとなった。
　遠隔での家づくりだったので効率的にビルダー選びを進めるために、「JUU」では初となるコンペ形式を採用。すでに土地が決まっていたこと、予算が明確だったことで実現したコンペは、地元ビルダーから4社が参加し、そのなかからアトリエ105のプランが選ばれた。
　Mさんは建築当初から要望が明確だった。「 私が60歳、母が83歳。年齢を重ねた母娘二人住まいですから、雪国の暮らしに対応した設計ができる人というのが必須条件でした。雪かき・雪下ろしに苦労しないで済むこと。冬、どの部屋に行っても暖かいこと。縦に長い敷地なので、コンパクトで動きやすい動線であること。
そのなかでアトリエ105のプランを採用したのは、私たち親子にぴったりのこじんまりとした家だったからです」とMさんはいう。
　アトリエ105の代表・鳥潟さんは、前述のMさんの要望に加えて、 親子の適度な距離感と室内からの眺望を提案した。「 親子二人住まいだからこそ、適度な距離感もあったほうがいいと考えました。そこで施主の寝室とお母様の寝室は1階と2階に振り分けつつ、階段の段数はできるだけ少なくするなどスムーズに部屋を行き来できるように考えました」と鳥潟さん。また日当たりを確保するために多めに設置された窓からは、近隣の眺望も楽しむことができる。Mさんは「何十年もこの土地に自宅があったのに、こんなに見晴らしがいい場所だったなんて、家を建て替えるまで知りませんでしたよ」とうれしそうに話した。