WORKS JUU掲載の施工事例

CASE104 西方設計 / O邸

高性能住宅の先駆者がつくる 高断熱・高気密住宅の最高峰

 「家を建てるとき、両親が『日本の家は寒いのでは?』と心配していました」と話す妻のDさんはカナダ出身。カナダと言えば、北欧と並んで、高性能住宅の先進国で、日本がまだまだ住宅性能の点では発展途上であることを考えると、心配は当然のことだったのだろう。「確かに妻の実家は寒くない。カナダに行って、住宅性能の大切さを感じました」とOさんが言うとおり、高性能住宅という選択は当たり前のことだった。
 「西方さんのことは、妻が能代市で英会話を教えていた時に、奥様が生徒だったこともあって知っていましたが、まずは展示場を見て回りました」とOさん。その中で、検討したビルダーもあったという。「ただ、決め手は西方さんに依頼した友人の家でした」と夫妻は口を揃える。木をふんだんに使い、断熱性の高い窓や壁が可能にした住宅性能とデザインの両立を実際に体験して、「これ以上はない(Oさん)」と決めたそうだ。
 一方で、元々建設業だったOさんの父からは「大手じゃなくて大丈夫か?」という心配もあったそうだ。「そんな父も、基礎を見たらそんな心配がなくなったようです」とOさん。高性能住宅で有名な西方設計だが、それを可能にしているのは、実は基礎だという。床下エアコン1台で家全体を快適な状態に保つために、シングル配筋扁平梁にコンクリートを打つベタ基礎を実施。それを見たOさんの父は「これはいい家が建つ」と確信したそうだ。さらに西方設計では、構造計算のみならず温熱計算も実施し、季節で変わる陽の入り方も含めて設計している。「真夏には庇で陽が入らず、冬は陽がふんだんに入る。真冬に陽の入りで室内温度が27℃になったのは驚きでした」とOさん。
 暮らし始めて半年、カナダの住宅以上の性能でDさんの両親も安心し、何より、子どもたちが風邪をひかなくなったことに驚く夫妻には、この夏、4人目が誕生予定だ。

DATA
床材無垢(スギ)、リノリウム
内壁材エコクロス
屋根材ガルバリム鋼板
外壁材木材(秋田杉)
長期優良住宅
Q値0.90W/㎡K
UA値0.28W/㎡K
C値0.41c㎡/c㎡

設計 / 有限会社西方設計 | 施工 / 志村建設株式会社 | 竣工 / 2016/12
構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 431.30㎡(130.46坪)|床面積 / 124.20㎡(37.50坪)/ 1階 66.25㎡(20.00坪)2階 57.97㎡(17.50坪)

暖房設備 / 薪ストーブ(Dovre製)、エアコン(電気) | 給湯設備 / エコジョーズ(ガス)| バス / タカラスタンダード ミーナ | トイレ / LIXIL アメージュZ | キッチン / 造作 | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシ真空トリプルガラス、樹脂サッシLow-Eペアガラス | 断熱材/ グラスウール | 換気システム / 第1種換気

建築総工費 / 2,900万円台
坪単価 / 75~80万円