WORKS JUU掲載の施工事例

CASE474 西方設計 / K邸

有機的な余白が 住まいにゆとりと豊かさをもたらす

 東西に走るクリの床とスギの天井がダイナミックなK邸。大きな掃き出し窓が暗くなりがちな冬も明るさを室内に届ける。印象的なのはLDKに有機的な変化をもたらす三角形に張りだしたスペースだ。庭と室内の関係を結ぶ豊かな余白として設けられた「コンコルド」である。用途を限定しないスペースが空間に奥行きと広がりを生んでいる。
 県外在住歴が長かったKさんが、地元の秋田で家を建てようと考えたのは、リタイア後の暮らしを見すえたことがきっかけだった。都内での暮らしが長かったという二人。昔からアウトドアアクティビティが好きだったことも移住の理由の一つだった。「西方先生のご著書を読む機会があって、『こういう人が能代にいるんだ』と驚きました。月1回の家づくり無料相談会に参加し、モデルハウスも見学しました。
『死なないための家』という考え方にも共感しましたね」とKさんはビルダー選びを振り返る。「自然豊かな秋田で暮らすのだから、庭に近い暮らしをしたい」との思いから、LDKの一部を庭にせり出すプランにした。代表の西方さんは「私の設計は合理性を重視するので、田の字型の直線的なプランが多いのですが、こうした有機的なスペースはK邸に必要なものだと考えました」と振り返る。
 玄関から続くゆったりとした廊下について、Sさんはこう話す。「『魅力ある廊下にしてください』とお願いしたんです。二人暮らしなので個室はそれほど広くはしなかった分、廊下も各部屋の延長として感じられるようにと」。
 書庫に並ぶ本を手に取ってコンコルドの窓際で読んだり、庭に来る生き物を眺めたりと、新しい住まいでの暮らしを満喫しているKさんとSさん。春には造園屋さんとともに本格的な庭づくりに取り組む予定だ。自分たちのペースで、自然の気配を日々の中に招き入れ、まちになじんでいく暮らし。時間に追われない毎日のなかで、住まいは少しずつ二人の居場所へと育っていく。

DATA
床材無垢(栗)、リノリウムタイル
内壁材レームファルベ(塗装)、
キッチンパネル、
レームファルベ(塗装)
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材木材(杉)

設計 / 有限会社西方設計 | 施工 / 熊谷建設会社 | 竣工 / 2025/10 |構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 556.59㎡(168.36坪)| 床面積 / 106.26㎡(32.14坪)/ 1階 106.26㎡(32.14坪)、ロフト 17.94㎡(5.42坪)、ウッドデッキ 13.52㎡( 4.08坪)

暖房設備 / エアコン(電気)| 給湯設備 / エコキュート(電気)| バス / タカラスタンダード グランスパ | トイレ / TOTO ピュアレスト | キッチン / 造作キッチン | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eトリプルガラス | 断熱材 / グラスウール | 換気システム / 第1種換気 | 太陽光発電設備 / 4.44kW | 長期優良住宅| 耐震等級3 | 断熱等級6 | Q値╱0.65W/㎡K | UA値╱0.27W/㎡K |C値╱0.36 ㎠/㎡

建築総工費 / 4,400万円台
坪単価 / 115~120万円
太陽光発電設備費用 / 195万円