思い出とともに、これからを ずっと笑って暮らす家
「将来、歩くことが難しくなっても自宅に住み続けたい」。その思いから、Kさんが50年以上住んだ家の建て替えを決めたのは、夫と母親を相次いで見送り、三回忌を終えたタイミングだった。Kさんにとって新居は「これからずっと笑って生きる場所」だ。
Kさんは現役の美容師で、毎日店に立ち続けている。ただ、一人暮らしということもあり自身の将来に不安を感じることもあった。そこで、車いすの利用を想定して廊下や通路を広く取り、段差のないバリアフリー住宅をリクエスト。住宅設備は汚れが付きにくく、掃除のしやすさを基準に選んだ。機能性を充実する一方で、寝室の木張り天井や造作家具など木材をふんだんに使ったところにビルダーのコーラリーらしさが出ている。木材と白、部分的にピンク系でまとめた内装が調和し、室内は柔らかく温かい雰囲気が満ちたくつろぎの空間となった。
平屋のコンパクトな間取りながら、家族の歴史や思い出を大切にしているところも大きな特徴だ。Kさんの実家にあった大きな仏壇や和箪笥を、そのまま寝室の壁面に収めた。「仏壇は買い替えを、着物も着ないのならと処分を勧められました。でも、両親の思い出もありどうしても捨てることができなかったので」とKさんは振り返る。
寝室がLDKと洗面・トイレに直結していて動線は考え得る最短距離になっている。Kさんが早朝起き出してトイレに向かうと、壁付けライトが自動で点灯し足元を照らす。「扉がなく、トイレから立ち上がるとちょうど浴室の鏡に自分が映るんです。そこで腰が曲がってないかと自分の姿勢を確認してね、気持ちをしゃっきりさせて一日を始めているんですよ」と、朝のルーティンを微笑みながら話してくれた。
満足のいく住まいが整えられたことで、それまで尽きなかった悩みや心配が大きく解消されたという。「今は仕事を趣味にしている毎日。張り合いがあります」とKさんは笑顔で語った。
DATA
| 床材 | 複合(合板)フローリング、 サニタリーフロア |
|---|---|
| 内壁材 | ビニールクロス |
| 屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
| 外壁材 | ガルバリウム鋼板 |
設計 / 阿部まさみ建築設計事務所 | 施工 / 有限会社 菊地建業 | 竣工 / 2025/12 |構造・工法・規模 / 木造軸組工法・1階建 | 敷地面積 / 148.77㎡(45.00坪)| 床面積 / 94.41㎡(28.55坪)/ 1階 78.72㎡(23.81坪)、カーポート 28.72㎡(8.68坪)
暖房設備 / エアコン(電気)| 給湯設備 / エコキュート(電気)| バス / TOTO サザナHT | トイレ / TOTO ネオレスト | キッチン / TOTO ザ・クラッソ | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-Eペアガラス | 断熱材 / グラスウール、フェノールフォーム | 換気システム / 第3種換気 | 断熱等級6 | UA値╱0.24 W/㎡K
建築総工費 / 2,300万円台
坪単価 / 80~85万円




















