WORKS JUU掲載の施工事例

CASE44 奥羽住宅産業 / I邸

住み慣れた土地に建てたリーズナブルなデザイン住宅

 「築40年経った私の実家に家族5人で住んでいました。シロアリの害や、家の中の寒さなどもあって、そろそろ家を新築しようかと話してから3年。ようやくたった我が家です」と語るIさん。デザインにこだわりのあったIさんが、母親が営む店舗の改装を手がけた奥羽住宅産業の高橋さんに「なかなか気に入るビルダーがいなくて」と相談したところ、住宅設備機器メーカーのLIXILが提案する「ビーダックスタイル」という仕組みを知る。
 奥羽住宅産業の設計士・高橋さんはビーダックスタイルについてこう語る。「建築家のデザインはすてきだけれど、金額や地理的な条件などで諦める人も多い。この仕組みでは、デザインは建築家、実施設計や施工は地元の工務店が請け負うので、比較的リーズナブルにデザイン性の高い住宅をお客様にご提供できるという点でメリットがあります」。
 秋田では初となったビーダックスタイルでの家づくり。デザインを手がけた瀬野和広さんは山形出身の建築家で、近所付き合いの多い地方の暮らしぶりや、豪雪地帯では必須の雪の落とし方などにも造詣が深かった。「せっかくの多世代同居の家。子どもたちは個室ではなく、広いリビングで遊び、学ぶのがいい」という瀬野さんの提案により、個室は両親と夫婦の寝室のみ。20帖以上ある2階のセミリビングでは、子どもたちが走り回って遊ぶ。夜には大人が集まって窓に沿ったワークスペースを囲んで晩酌を楽しむこともあるという。
 「親戚一同が集まることも多いので、できるだけ広々作ってもらいました」という1階のリビングの掘りごたつは、大人でも10人は座れそうな広さ。妻のNさんは「普段は家族全員がほぼリビングで過ごしていますね」と笑うが、家族のコミュニケーションが円滑だからこそのオープンさなのだろう。1階南側の縁側から、家の前を通る近所の子どもたちにIさんは「いってらっしゃい。気をつけて」と声をかける。近所の方が縁側に来ては一言二言話して去っていく。そんな日常の何気ない、けれども幸せな光景を自然に包むような家が実現している。

DATA
床材無垢(スギ)、磁器タイル(キッチン)
壁材内装用光触媒塗料
窓仕様アルミ樹脂 複合サッシLow-Eペアガラス
屋根材ガルバリウム鋼板
外壁材窯業系サイディング、ガルバリウム鋼板
断熱材吹付ウレタン

設計 / 奥羽住宅産業株式会社(デザイン:BDAC瀬野和広) | 施工 / 奥羽住宅産業株式会社 | 竣工 / 2016/3
構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 721.93㎡(217.94坪) | 床面積 / 166.44㎡(50.25坪) / 1階 89.42㎡(27.00坪) / 2階 77.01㎡(23.25坪)

暖房設備 / ヒートポンプエアコン(電気)、ペレットストーブ(シモタニ) | 給湯設備 / エコキュート | バス / LIXIL アライズ | トイレ / 1階 LIXIL サティス 2階 LIXIL アメージュ | キッチン / LIXIL リシェルSI | 調理設備 / IH | 換気システム / 第3種換気

建築総工費 / 2,700万円台
坪単価 / 50~55万円