思い出は残して、快適に暮らす 〝リノベーション〞という選択
妻のMさんの祖父から受け継いだ築60年の住宅をリノベーションしたTさん夫妻。「5年ほど空き家になっていたこの家を〝そろそろ取り壊そうかな〞と母から言われたときに、取り壊すぐらいだったら自分たちで手を入れて住みたいと思ったんです」とMさんは家づくりの経緯を振り返る。「小学校の頃は毎年訪れていた祖父の家は、不思議と思い入れが深かったんです」とMさん。そこでTさん夫妻は仕事と子育てをしながら思い入れのあるこの住まいを自分たちのイメージに近いかたちでリノベーションしてくれるビルダーを探した。「インスタグラムであくび建築事務所を見つけたときには〝これだ!〞と思いました。あくびさんのテイストが好きで、空間の美しさに引かれたんです」とTさんは話す。
「もともとあった照明、建具などは残してほしい」というオーダーのもと、思い入れのある建物の風情は残しつつ、畳を板張りにするなど現代のライフスタイルに合う、暮らしやすさを重視した改修となった。Mさんは自宅で英語教室を主催しているため、二間続きの和室を和室の趣はそのままにレッスンルームとして活用する。
LDKはがらっと洋室に変更。もともとは台所など3部屋ほどに区切られていたが、壁を取り払い広々とした空間とした。「外観とのギャップにお客様にはよく驚かれますね」とTさん夫妻は笑う。断熱改修も施したため、快適さもぐっと向上した。
L字になった空間はリビングとダイニング、キッチンが緩やかに振り分けられている。キッチンは夫婦二人で立って作業をしても十分なゆとりがある。「平日は妻、休日は私がそれぞれ料理を担当するのでどちらの身長にも使いやすいようにキッチンは造作していただきました。やる気がでるキッチンですよ」とTさんも満足そうだ。
懐かしくて新しい住まいに入居して2年経った。「帰ってくるたびにいい家だなぁと感じます」とTさん夫妻は口を揃えるのだった。
DATA
| 床材 | 無垢(さくら)、 サニタリーフロア |
|---|---|
| 内壁材 | 塗り壁(ユートップ+EP)、 タイル |
| 屋根材 | 素焼き瓦 |
| 外壁材 | 窯業系サイディング (既存、一部張替) |
設計 / あくび建築事務所 | 施工 / 有限会社ミノル建築 | 竣工 / 2022/10 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 / 522.22㎡(157.97坪)|床面積 / 156.17㎡(47.24坪)/ 1階 115.27㎡(34.87坪)、2階 40.90㎡(12.37坪)
暖房設備 / エアコン(電気)、ファンヒーター(灯油)| 給湯設備 / エコジョーズ(ガス) | バス / TOTO サザナ | トイレ / TOTO ピュアレスト | キッチン / 造作キッチン | 調理設備 / ガス | 窓仕様 / 樹脂サッシ(既存)| 断熱材 /グラスウール、XPS(押出ポリスチレン)| 換気システム / 第3種換気
建築総工費 / 1,650万円台
坪単価 / 30~35万円




















