WORKS JUU掲載の施工事例

CASE403 今井ヒロカズ設計事務所 / H邸

「円まどい」のある暮らしを叶える 小さな木の家

 秋田にUターン後、夫の実家暮らしだったというHさん夫妻。生活も落ち着き、「そろそろ自分たちの場所も欲しいし、子ども部屋も作ってあげたい(妻のMさん)」と家づくりを考えはじめたという。
 そんなタイミングで訪れた友人宅。新築から間もなかったその住まいは「ナチュラルな感じで、木の肌触りや質感が良かったとMさんは振り返る。「予算に合わせて木の家をつくってくれる人、いないかな?」と友人に相談、そこで提案されたのが北風と太陽舎を主宰する今井さんだった。
 一方で、Mさんは家づくりを考えはじめたころから住宅に関する書籍を読むようになり、そこで建築家の中村好文さんに出会い、中村さんが言う「小さな家」という考えに強く共感したという。「中村さんの本からは〝小さくても必要十分な豊かさのある家〞は可能だということが書かれていたように感じました」とMさん。Hさんも「本のなかに〝円まどい〞という言葉が書いてありました。人が丸く車座になって肩を寄せ合う、親密な空間のこと。そんな家がつくれたらと思うようになったんです」と話す。この話を今井さんにしたところ、今井さんも同じように考えていたこともあって依頼することになったそうだ。
 「家づくりは、冬の雪とどう共存するかがテーマでした」とHさん。H邸は県内有数の豪雪地帯にあり、1年のうち3〜4か月は雪に覆われる。1階にリビングを設ける場合は基礎を上げるが、それでも雪で日差しが十分にとれない心配があったこともあり2階リビングを採用。天気のいい日には、遮るものなく鳥海山を望める開放的な空間になった。1階には玄関土間を広くとって薪ストーブを設置。土間とつながる部屋は壁で区切らず開放的で、セカンドリビングのような設えになっている。
「この先、好きな椅子や家具をそろえたい」というHさん夫妻。薪ストーブを囲んで、それぞれが好きな椅子に座り、「円い」のある時間を楽しみにしているようだ。

DATA
床材挽板(合板基材)
フローリング(オーク)、
クッションフロア
内壁材塗り壁(ドイツ漆喰)、
ビニールクロス
屋根材SGL鋼板
外壁材ガルバリウム鋼板、
木材(杉板)

設計 / 合同会社 北風と太陽舎| 施工 / 株式会社 小田島工務店 | 竣工 / 2023/2 | 構造・工法・規模 / 木造軸組工法・2階建 | 敷地面積 /133.82㎡(40.39坪)|床面積 / 89.42㎡(27.00坪)| 1階 44.71㎡(13.5坪) 、2階 44.71㎡(13.5坪)、ウッドデッキバルコニー 6.62㎡( 2.00坪)

暖房の種類 / エアコン(電気)、薪ストーブ(ヒタ/デンマーク製)| 給湯設備 / エコキュート(電気)| バス / TOTO サザナ | トイレ / TOTO ネオレスト | キッチン / Panasonic ラクシーナ | 調理設備 / IH | 窓仕様 / 樹脂サッシLow-E ペアガラス | 断熱材 / グラスウール、ウッドファイバー | 換気システム / 第3種換気 |ZEH Oriented| UA値╱0.30W/㎡K

建築総工費 / 2,600万円台
坪単価 / 80~85万円