2階リビングの開放感と高性能住宅の快適性

　2階リビングが開放的なH邸。吹き抜けでつながる3階も含めたLDKは、広さ40帖。南北に配置された大開口からは空が広がる。
　次女の小学校入学を機にそれまで一つだった子ども部屋を「そろそろ個室にしてあげたい」と思い立ったというHさん。学区のこともあって土地探しに3年もの歳月がかかった。公園に面したロケーションの良さが決め手となって、購入した土地は47坪。秋田では決して大きくはない広さだ。
　「この土地に、広々としたリビングのある家を建てたい」。その願いの建築的回答を出したのは、なんと長女のいずみさんだった。当時、小学校4年生だったいずみさんが自ら3Dパースを作成。Hさんはそのパースを持って、西方里見さんを訪ねた。言わずと知れた高気密・高断熱住宅の第一人者である。「私の仕事は設計でいずみさんのデザインを構造上可能にして、快適性を損なわないようにしただけです」と西方さん。3階建てでも西方設計の特徴の一つである床下エアコン暖房は健在で、たった1台で居住空間46坪を常に快適な温度に保っている。
　「冬も経験しましたが、本当にエアコン1台で快適なのには驚きました」と妻のTさん。もう一つのうれしい驚きが「次女のめぐみさんの将来の夢が建築家になったこと（Hさん）」だそう。「家づくりをつうじて姉妹が以前よりもっと仲良くなった。将来的にも個室はいらないかも」と新居での暮らしに満足げだ。